266: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/10(木) 11:44:39.92 ID:IGCv6YWI0
侑「あ、歩夢……?」
歩夢「侑ちゃん……離れないでね……」
侑「う、うん」
エマ「そんなに怖がらなくても、ここの子は大人しい子ばっかりだから大丈夫だよ〜」
リナ『この辺りに出るポケモンはナゾノクサやチュリネ、モンメン、スボミー、ハネッコみたいな、小型のくさポケモンくらいだから、こっちから刺激しなければ襲ってくることはないと思う』 || ╹ 𝅎 ╹ ||
歩夢「それなら、いいけど……」
と言いつつも、歩夢は私から離れようとしない。
エマ「奥まで歩くから、みんなはぐれないようにね♪」
侑「はーい」
歩夢「……はい」
エマさんに先導される形で森の中を歩き出す。
森というだけあって、いくら進んでも景色はずっと草木に覆われている。
ただ、もともとよくある森の鬱蒼としたイメージとは裏腹に、このコメコの森は常に葉と葉の間から木漏れ日が差し込んで来ていて明るく、先ほどエマさんの言ったとおり、人が通るであろう道は整備されているのかしっかり確保されている。
ちょっとした、ハイキング気分だ。
何より──
侑「すぅ…………はぁ…………」
空気がおいしい。緑が多いからなんだと思う。
「ブィ…」
頭の乗っているイーブイも随分リラックスしているのがわかる。
なんだか、この空気の中にいるだけで、気分が落ち着く。
でも、歩夢は……。
歩夢「…………」
ぎゅーっと私の腕を掴んだまま、辺りをキョロキョロと警戒しながら歩いているようだった。
侑「歩夢」
歩夢「……え? な、なにかな?」
侑「ここのポケモンたちは、そんなに危なくないと思うよ」
周囲を見回すと、すでに視界には木漏れ日の中を気ままに漂っているハネッコやモンメンの姿が見て取れる。
野生のポケモンには違いないけど、彼らは本当に風に流されて飛んでいるだけで、襲ってくることなんて本当になさそうだ。
歩夢「……でも、ここは町の中じゃないから……」
私の腕を引く力が、さらに込められた気がした。
侑「……そっか」
──それから歩くこと数分。
エマ「──着いたよ〜♪」
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