267: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/10(木) 11:45:50.33 ID:IGCv6YWI0
エマさんに連れてこられたのは、森の奥の方にある少し開けた場所だった。
そして、そこには周囲の木々がまるで意識的に避けているかのように──中央に苔むした大きな岩が鎮座していた。
エマ「ここね、わたしのお気に入りの場所なの♪」
エマさんがニコニコしながら振り返る。
エマ「みんなこっちにおいで♪」
エマさんは手招きしながら、苔むした岩の傍に腰を下ろす。
侑「歩夢、行こう」
歩夢「う、うん」
言われたとおり、私たちもエマさんの隣に腰を下ろす。
すると──
「ブイ」
イーブイが私の頭から跳ねて、苔むした岩の上に飛び乗る。
そしてそのまま、
「ブイブイ…」
気持ちよさそうに伸びをしたあと、その岩の上で丸くなってリラックスし始める。
侑「ふふ、イーブイ早速気に入ったの?」
「ブィィ…」
エマ「ふふ♪ この岩、ひんやりしてて気持ちいいよね♪」
イーブイの様子を見て、嬉しそうに笑うエマさん。
ただ、そんな中でも、
歩夢「…………」
歩夢はまだ硬い顔をしたまま、私の腕を掴んでいる。
侑「…………」
さすがにそろそろ話をしないといけないと思った。
なんとなく、歩夢の様子がおかしい理由には見当が付いている。
私が口を開こうとした、そのとき、
エマ「歩夢ちゃん」
私よりも先に声を掛けたのは、エマさんだった。
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