250: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/09(水) 11:48:56.22 ID:hVp6cgNM0
歩夢「私は……侑ちゃんを、守ってあげられなかった……」
愛「…………」
歩夢「……私……」
愛「…………」
歩夢「…………ごめん。こんな話されても、困るよね……あはは……」
愛「もし……」
歩夢「……?」
愛「もし、歩夢が本当にゆうゆを守りたいって本気で思ってるなら……強くなるしかないよ」
歩夢「……」
愛「戦うのは、怖い?」
歩夢「…………」
私は愛ちゃんの言葉に、控えめに首を縦に振った。
戦うのは、怖い。
愛「傷つくの傷つけるのも、嫌?」
その質問にも、頷く。
愛「……そっか。……それが、悪いことだとは思わない。だけどね、力がなかったら……弱いままだったら、何も守れないよ」
歩夢「……」
愛「守りたいなら強くなりな、歩夢。強くないと……大切なモノが、自分の手の平から全部零れていっちゃうから……」
愛ちゃんはそう言いながら、遠い目をしていた。何かに想いを馳せるかのように、何かを思い出すかのように。
愛「ゆうゆが目を覚ますまで待ちたかったけど……愛さん、約束があるからもう行くね。ゆうゆが目を覚ましたら、よろしく伝えておいて」
歩夢「……うん」
愛「大丈夫。歩夢には、強くなれる素質はあるから」
歩夢「……うん、ありがとう」
それが愛ちゃんの優しさで、慰めの言葉だとわかっていても、少しだけ救われた気分だった。
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