197: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/07(月) 12:34:33.82 ID:HEs2RhQZ0
かすみさんが“バニプッチパフェ”を頬張りながら、辺りを見渡す。
かすみ「まだ午前中なのに、すごい賑わい。今日ってお祭りなの?」
しずく「聞いた話だと、一年中こういう感じらしいよ。今日はウルトラランクの開催日だから、その中でも特に活発な日だとは思うけど」
かすみ「ふーん……セキレイの賑やかさとは雰囲気が違うけど、かすみん的にはこういうお祭りっぽいのは大好物なんだよね♪ はい、しず子、お返し。口開けて♪」
しずく「……あむっ」
かすみ「どう? “バニプッチパフェ”は」
しずく「ふふっ、パフェもおいしいね」
かすみ「でしょでしょ! おいしいだけじゃなくて、見て可愛いのもポイント高いんですよねぇ♪」
「ガゥガゥ!!!」
かすみ「はいはい、ゾロアにもあげるから。あーん」
「ガーゥ♪」
かすみ「そういえば、しず子……行きたい場所があるんだったよね? コンテスト会場だっけ」
しずく「うん」
かすみ「それって、どこにあるの?」
しずく「ああ、それなら……」
私は振り返る。
かすみ「……噴水?」
しずく「じゃなくて……その奥。噴水がコンテスト会場なわけないでしょ……」
確かに噴水広場の噴水前のベンチだから、振り返ったらすぐそこに噴水はあるけども……。
──噴水のさらに向こう側にそびえる建物を指差す。
恐らく、この町において、最大の建造物に当たるであろう。フソウのコンテスト会場が鎮座している。
かすみ「え、あれ、コンテスト会場なの……!? セキレイのよりも遥かに大きい……」
しずく「オトノキ地方、最大規模のコンテスト会場だからね」
かすみ「何か他の競技場みたいなものかと思ってた……」
確かにかすみさんが驚くのも無理はない。
セキレイ会場もかなりの広さだけど、フソウ会場はその比ではなく、下手したら倍以上の大きさがある。
最大の収容人数、最大の演出設備等を誇り、同時にこの地方で最大のステージ舞台を擁する巨大施設なのだ。
しずく「確か、中にはスタッフやコンテストクイーンのために居住スペースもあったんじゃないかな……?」
かすみ「マジ!? かすみんもあそこに住みたい!」
しずく「なら、コンテストクイーンにならないとね……あ、ただ、今のコンテストクイーンはことりさんで、ことりさんはウテナシティのポケモンリーグで生活してるから、一般開放されてたはず……」
かすみ「え、じゃあ今がチャンスじゃん!」
しずく「……いや、一般開放って自由に住んでいいってわけじゃないからね? 見学出来るだけだよ」
かすみ「えー……なんだぁ……」
かすみさんは、がっくりと項垂れているけど……歴代のコンテストクイーンが代々利用してきた部屋を見られるのって結構すごいことなんだけどな……。
確か、一般開放に当たっていろいろ展示物もあるらしいし……せっかくだし、後で見に行きたい。
そんなことをぼんやり考えていると──
かすみ「ねぇ、しず子……」
かすみさんが袖を引っ張りながら、小声で話しかけてくる。
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