17: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/10/30(日) 00:39:12.26 ID:QLy5TvuG0
急に大声で泣き出した。
侑「うわわ!?」
善子「う、うるっさ……!!」
「ガゥ、ガゥガゥァァァァァッ!!!!!!!!」
大粒の涙を流しながら、ドンカラスの足元でじたばたと暴れまわるゾロア。
歩夢「あ、あの博士……ゾロアが泣いてます……」
善子「わかってるけど……」
歩夢「あの……放してあげてくれませんか……?」
善子「……いや、そう言われてもね」
歩夢「でも、あの子もかすみちゃんに指示されてやっただけだと思うし……あんなに泣いてるし……せめて、もう少し優しくしてあげて欲しいです……」
善子「…………」
歩夢の言葉に、博士は頭を掻きながら、
善子「ドンカラス、少し力を弱めに──」
指示を出した瞬間。
しずく「だ、ダメです!? それ、“うそなき”ですよ!?」
善子「え゛っ!?」
響き渡るしずくちゃんの言葉。
「…ニシシッ!!!!」
それと同時にゾロアの体から真っ黒なオーラが膨張を始めた。
善子「全員伏せなさいッ!!」
しずく「は、はいぃ!!」
侑「歩夢……!!」
歩夢「きゃっ!?」
咄嗟に歩夢に覆いかぶさるようにして伏せる。
その直後、膨れ上がった黒いオーラは衝撃波となって、私たちの真上の空気をびりびりと震わせる。
衝撃と共に、研究所内に物が落ちる音や割れるガラスの音が響き渡る。
歩夢「きゃあああ!?」
侑「歩夢!! 落ち着いて!!」
大きな音にパニック気味な歩夢を抱きしめたまま、しばらく待っていると──
しずく「お……終わりました……?」
侑「歩夢、大丈夫!?」
歩夢「う、うん……ありがとう、侑ちゃん……。サスケ、ヒバニー、怪我しなかった……?」
「シャー…」「バニー…」
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