18: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/10/30(日) 00:40:09.61 ID:QLy5TvuG0
怖がりながらも、歩夢はサスケとヒバニーを抱き寄せていたらしく、声を掛けられた2匹が歩夢の腕の中から顔を出す。どうやら、2匹に怪我はなさそうだ。
そして、ゾロアの攻撃は落ち着いたようで……研究所内は再び静かになった──のは一瞬だけだった。
顔を上げるのと同時に──バサバサバサ!!! と大きな羽音を立てて、何かが飛び立つ。
それが、先ほどの飼育部屋から飛び出したポケモンなんだとわかるのに、そう時間は掛からなかった。
気付けば家具やら壊れた何かの破片やらでごちゃごちゃになった研究所内には、飼育部屋から脱走したポケモンたちが走り回り飛び回り、好き放題している状態になっていた。
善子「ま、まずい……!?」
博士が真っ青な顔のまま、近くを走り回っているポケモンを咄嗟に覆いかぶさるようにして捕まえると──
「ピ!? ピ、チュゥゥゥゥッ!!!!!」
善子「んぎゃっ!?」
博士が小さく悲鳴をあげる。
ピチューの“でんきショック”だ。
侑「は、博士!!」
善子「だ、だいじょう……ぶ……むしろ、ピチューは、じ、自分で……痺れて、う、動けなくなってくれる、から……た、たすかる……わ……」
「ピ、チュゥゥ…」
博士の言うとおり、ピチューは自分の電気で痺れて目を回しているけど……。
しずく「そ、それより、ゾロアがいません!!」
言われてみれば、この惨状を作り出した張本人であるゾロアの姿がなくなっている。
ついでに先ほどゾロアが口に咥えていたパステルイエローのポケモン図鑑もだ。
善子「と、とりあえず、ゾロアはいい……先に逃げたポケモンたちを捕まえないと……」
よろよろと立ち上がる博士。
研究所内にはあちこちに逃げ出した、ポケモンたちの姿──最初のポケモンとポケモン図鑑を貰いに来たはずなのに……なんだか大変なことになっちゃった……!?
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