侑「ポケットモンスター虹ヶ咲!」
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14: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/10/30(日) 00:36:09.89 ID:QLy5TvuG0

博士からの許可も貰えて一安心したところで、私は改めて研究所内を見回す。

研究所内にはあちこちに水族館のような、大きなガラス張りの部屋の中に作られた飼育スペースがあり、その中にポケモンたちの姿が見える。


歩夢「見て、侑ちゃん! あっちのお部屋にいるの、ププリンだよ! 可愛い!」

しずく「あちらの森の環境を再現した部屋にいるのは、クルマユでしょうか? なんだかあの表情、見ているだけで癒されますね……」


二人も私同様、研究所内に興味を引かれている様子。研究所内なんて、なかなか見られる機会ないからね。私もこの機会によく見ておこう。


侑「こっちの雪の部屋にいるのは……見たことないポケモンだ」


私が見た部屋は雪原の環境を再現した部屋で、真っ白な丸っこい幼虫みたいなポケモンが数匹いるのがわかる。


善子「あれはユキハミよ。この地方では、グレイブマウンテンの北部側に極僅かに生息してるだけだからね。知らなくても無理ないわ」

しずく「主にガラル地方に生息しているポケモンですよね!」

善子「ええ、そのとおりよ。しずく、詳しいのね」

しずく「はい! 小さい頃、家族とガラル地方のキルクスタウンに旅行に行ったときに見たことあるんです!」


雪原や森の部屋の他にも、岩肌を再現した部屋や洞窟を模した部屋など、さまざまな飼育部屋があちこちにある。


侑「あ、あの! もっと近くで見学してもいいですか!?」

善子「ええ、構わないわ。約束の時間までまだあるしね。ただ、見るだけで触ったりしちゃダメよ?」

侑「はーい! 歩夢、行こう!」

歩夢「うん!」





    🎹    🎹    🎹





しずく「……かすみさん、遅いですね」


研究所内をひととおり見て回れるくらいの時間は経った気がする。確かに遅いかもしれない。


善子「まあ、案の定って感じね……」

歩夢「どういうことですか?」

善子「かすみ、さっき一度研究所に来てたのよ。でも、忘れ物をしたって言って、一度家に帰ったわ」

しずく「もう……かすみさんったら、今日だけは遅刻しないようにって、ちゃんと言ったのに……」

善子「まあ、いないものは仕方ないわね。もう、約束の時間は過ぎてるし……これから選ぶ3匹との、顔合わせだけでもしちゃいましょうか」

歩夢「いいのかな……?」

善子「選ぶのは3人揃ってからだけどね。歩夢、しずく、こっちに」


博士に呼ばれて、二人は3つのモンスターボールと3色の図鑑が置かれている机の前に移動する。


善子「今回貴方たちに選んで貰うのはこの3匹よ」


博士が3つのモンスターボールの開閉スイッチを押すと──ボム、という独特な開閉音と共に、中からポケモンが飛び出す。



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