ターニャ・フォン・デグレチャフ「さて、諸君。新兵器だ」
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1:名無しNIPPER[sage saga]
2022/10/21(金) 23:25:20.07 ID:ok+VY0MOO
「総員、傾注!」

第二〇三航空魔導大隊副長、マウテス=ヨハン・ヴァイス中尉の号令で大隊各員が一斉に顔を向ける先には、教壇に上がってもなお小さい、ひとりの幼女の姿があった。

「大隊戦友諸君。本日は諸君らに思考ゲームを用意した。血生臭い戦場を飛び回り、すっかり凝り固まって脳筋と化した諸君らの頭をほぐしてやろう。出題者はこの私であり、諸君らには問題に対する疑問を提示して、そして最終的な結論を導き出して貰う」

思考ゲームと聞いて、隊員たちは怪訝な面持ちだ。何せ彼らは猟犬であり、考えるよりもまず先に命令を実行するのが仕事である。
しかし大隊長たる幼女、ターニャ・フォン・デグレチャフ少佐は彼らに教養を身に付けさせ、より使える軍人に鍛え上げることこそ、仕官する帝国に対する己の使命であると考えていた。

「私は自分が選んだ大隊戦友諸君らの脳みその出来をそれほど悪くはないと信仰しているか、この思考ゲームの成り行き次第では考えを改める必要が生じるやも知れん。この私を絶望させるな! では、諸君らに問おう」

プレッシャーをかけられて生唾を飲み込む隊員を睥睨しながら、幼女は問う。

「仮想敵国はルーシー連邦。現体制が崩壊し、分裂した結果、我が帝国と緩衝地帯が生まれた。時は流れ、体制を整えた連邦は失った領土を取り戻すべく、緩衝地帯へと侵攻した。さて、諸君らはどう出る?」
「無論、侵攻を阻止します」

即断したのはヴァイス中尉。周囲も頷いた。

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2:名無しNIPPER[sage]
2022/10/21(金) 23:28:47.39 ID:ciummpfM0
うんこブリブリするならRへどうぞ


3:名無しNIPPER[sage saga]
2022/10/21(金) 23:29:04.13 ID:ok+VY0MOO
「阻止するにも色々と方法はあるだろう。貴官ならばどうする?」
「まずは出鼻を挫くために砲兵隊による効力射。そして大隊規模の航空魔導士による空爆の後、歩兵部隊にて押し返します」

いかにもそれはこの時代の戦法。教本通り。

以下略 AAS



4:名無しNIPPER[sage saga]
2022/10/21(金) 23:31:17.45 ID:ok+VY0MOO
「さて、その点を踏まえて、ヴァイス中尉はどう作戦を立案する?」
「私の考えは変わっておりません。即時派兵して対応すべきかと」
「貴官はきっと、年老いて死ぬまで帝国軍人であり続けるのだろうな」

それで年老いて死ねるならば、誉れだろう。
以下略 AAS



5:名無しNIPPER[sage saga]
2022/10/21(金) 23:34:05.40 ID:ok+VY0MOO
「さて、諸君。新兵器だ」

たっぷり副官を褒めちぎってから、幼女は大隊長の面構えに戻り、兵器の説明をする。

「時は流れ、連邦は強力な兵器を有する国となった。この兵器は大量破壊兵器と呼ばれ、その名の通り、1発放てば町ひとつを簡単に消し飛ばし、そこに暮らす住民を灰にする。そしてこの兵器の恐ろしいところは威力だけではない」
以下略 AAS



6:名無しNIPPER[sage saga]
2022/10/21(金) 23:36:22.66 ID:ok+VY0MOO
「撃てば撃たれる。なればこそ兵器を持つ国は兵器を持つ国を警戒する。だからこそ兵器を持たない選択肢が生まれるということだ」

そう諭すも、ヴァイス中尉は納得がいかず。

「しかし持たぬならば撃たれないという保証がない以上、安心は出来ないかと」
以下略 AAS



7:名無しNIPPER[sage saga]
2022/10/21(金) 23:38:24.05 ID:ok+VY0MOO
「まったくあのバカどもときたら」
「まあまあ。少佐殿、美味しいコーヒーを淹れましたよ。チョコもご一緒に如何です?」

イライラする幼女には甘い物で機嫌を取る。

以下略 AAS



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