ターニャ・フォン・デグレチャフ「さて、諸君。新兵器だ」
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5:名無しNIPPER[sage saga]
2022/10/21(金) 23:34:05.40 ID:ok+VY0MOO
「さて、諸君。新兵器だ」

たっぷり副官を褒めちぎってから、幼女は大隊長の面構えに戻り、兵器の説明をする。

「時は流れ、連邦は強力な兵器を有する国となった。この兵器は大量破壊兵器と呼ばれ、その名の通り、1発放てば町ひとつを簡単に消し飛ばし、そこに暮らす住民を灰にする。そしてこの兵器の恐ろしいところは威力だけではない」

前世の祖国を燃やされた幼女は知っている。

「爆発に伴い、周囲を汚染する。それは毒ガスに似た性質で、人体だけでなく土地そのものを有毒化し、そして洗浄は困難を極める」

しばらくは住めなくなる。隊員は青ざめた。

「そんな、非人道的な……」
「怖くなったかね、ヴァイス中尉」

思わず人道を口にした中尉へ矛先を向ける。

「連中はそれを使うだろう。追い詰められたならば。故に、追い詰めることは出来ない」
「し、しかし! そんな非人道的な連邦の暴挙を世界が見過ごす筈がありません!」
「緩衝地帯を見捨てれば平和は保たれる」

人命か救世か。人道か倫理か。どれを選ぶ。

「ちなみにこの非人道的な兵器を合州国も保有しているとしたら?」
「合州国も? ならば我が帝国も……!」
「残念ながら我が帝国は保有していない」

がっくりと肩を落とすヴァイス中尉に囁く。

「しかしこれは吉報だぞ、ヴァイス」
「吉報……? 小官には察しかねます」
「セレブリャコーフ少尉はわかるか?」
「兵器を持たないから狙われない、とか?」

やはり少尉はよく出来た自慢の副官である。


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