ターニャ・フォン・デグレチャフ「さて、諸君。新兵器だ」
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4:名無しNIPPER[sage saga]
2022/10/21(金) 23:31:17.45 ID:ok+VY0MOO
「さて、その点を踏まえて、ヴァイス中尉はどう作戦を立案する?」
「私の考えは変わっておりません。即時派兵して対応すべきかと」
「貴官はきっと、年老いて死ぬまで帝国軍人であり続けるのだろうな」

それで年老いて死ねるならば、誉れだろう。

「残念ながら貴官の部隊は全滅だ」
「なっ!?」
「時は流れたと言っているだろう。とはいえ連邦が強くなったわけではない。貴官の部隊は新生ルーシー連邦相手に華々しい戦果を挙げ、侵攻を食い止めるどころか殲滅することだって可能だろう。しかし、それでも……」

全滅する。それは何故か。副官が挙手した。

「大隊長殿、質問よろしいでしょうか」
「なんだ、セレブリャコーフ少尉」
「先程の大隊長殿の口ぶりですと、連邦は強くなっておらず、ヴァイス中尉の部隊のほうが戦力的に圧倒的であると聞こえましたが」
「そうだ。時が流れてもそれは変わらん」
「では、どうして連邦は自ら緩衝地帯へと侵攻したのでしょうか?」

やはり賢い。副官は優秀だな。褒めてやる。

「良いところに気づいたな、少尉。貴官の上官として鼻が高い。欲を言えば……もうひと押し、核心へと迫って欲しいところだ」

期待の眼差しを向けると少尉は核心をつく。

「……連邦には戦力差を覆す何かがある?」
「ふむ。それは何だと思う?」
「全世界に供給する資源……エネルギー? ううん……違う。もっと直接的に戦況をひっくり返すような……新兵器、でしょうか?」
「満点だ、少尉! 少尉は最高の副官だな!」

思わず飛びついてしまった。とても嬉しい。


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