83: ◆3U.uIqIZZE[sage]
2022/07/28(木) 21:47:26.49 ID:EEyFH7CuO
「流石は里見さんと柊さんね。ミラーズ対策も考えてるんですもの」
「あまり期待されると、それはちょっと困るにゃー。希望的観測の領域は出ていないし……」
「ねむちゃん。話は戻るんだけど、桜子ちゃんを安全にサーバに移せる保証はあるのかな?」
「理論上では、ウワサの力を付与したサーバであれば、安全に移せるよ。
検証を止めた日以来、知古辣屋零号店のカカオマスには、再び魔翌力を溜め込んでいるんだ。
84: ◆3U.uIqIZZE[sage]
2022/07/28(木) 21:48:27.39 ID:EEyFH7CuO
「灯花さん、マシンは実現するための技術が、まだ存在しないはずでは?」。
「あなたの言う通り、技術はまだ存在しないよ。一朝一夕で用意なんて、いくらわたくしでも
無理なんだにゃー。遺体を冷凍保存するのとは違って、現在の技術では、生きている人間を
安全にコールドスリープさせることは、できないんだよ」
85: ◆3U.uIqIZZE[sage]
2022/07/28(木) 21:55:46.06 ID:EEyFH7CuO
その後、鶴乃、さな、桜子からは、考える時間が欲しいと返事があった。
織莉子とキリカが帰路に就く時間も迫ったため、その日は解散。
最後にかごめがキリカに取材を行った。
キリカがかごめに語った内容は、自身の存在が織莉子のためにあること、
86: ◆3U.uIqIZZE[sage]
2022/07/28(木) 21:56:29.91 ID:EEyFH7CuO
本日はここまでです。続きは明日以降に。
87: ◆3U.uIqIZZE[sage]
2022/07/29(金) 21:33:38.64 ID:yMS2cceDO
>>85からの続き
「なぁ、いつまで黙ったままなんだ。何も言うことないのかよ?」
顔を向けられた鶴乃は、思わず目を逸らして呟いた。
88: ◆3U.uIqIZZE[sage]
2022/07/29(金) 21:37:06.16 ID:yMS2cceDO
その日、鶴乃は食事を摂る前に帰路につき、さなも部屋へ戻った。
あとに続くように、いろはとういも部屋へ戻ったが、フェリシアは居間に残って考え込んでいた。
いろはたちが部屋に戻ったのを確認すると、やちよが声をかけた。
「……あなたが正しいわ」
89: ◆3U.uIqIZZE[sage]
2022/07/29(金) 21:41:37.64 ID:yMS2cceDO
二回目の織莉子との会合を終えた翌日。
鶴乃はいつもの時間にみかづき荘に現れず、考えが纏まるまで来訪を控える連絡があった。
さなも家出をしたはずの義実家に戻り、鶴乃と同じ理由で一時的にみかづき荘を離れた。
折り合いがついたら戻るという二人の言葉を信じ、桜子のことは灯花とねむが引き受けたが、
桜子が本の中に入ったきり、外に出てこないという連絡が入った。
90: ◆3U.uIqIZZE[sage]
2022/07/29(金) 21:45:46.59 ID:yMS2cceDO
『お姉さん、先日はお疲れ様。未来に送るメンバーのことなら、僕から話させてもらうよ。
要員の選定は二人で行ったけど、最終決定は僕がしたんだ』
「そうだったんだ」
『ここから先の話は、いろはお姉さんの中だけに留めてほしい。約束してもらえるかな?』
「約束するよ!」
91: ◆3U.uIqIZZE[sage]
2022/07/29(金) 21:50:02.61 ID:yMS2cceDO
「鶴乃さんたちのことも気になりますが、折り合いがつくのを待つしかありませんね」
「私たちにできることは、何もないということですか?」
「灯花とねむの提案を覆せる代案があれば、提案するのもいいかと。ですが、何かありますか?」
「……いいえ」
「……ワタシも同じです」
92: ◆3U.uIqIZZE[sage]
2022/07/29(金) 21:59:11.43 ID:yMS2cceDO
W−1、W−2の時と同じくいろはが主催、みふゆが副主催として会合に臨んだが、この日は、
W−3の草案を急遽練り上げた、灯花とねむも参加。素案ではなく草案なのは、事態の重さを
伝える策であると、いろはとみふゆに灯花が語った。
御園かりんは入院中のため不参加だったが、その日に彼女の見舞いに向かった、十咎ももこと
93: ◆3U.uIqIZZE[sage]
2022/07/29(金) 22:00:13.63 ID:yMS2cceDO
「私と桑水さんの隠蔽は、どう違うというの?」
「それは僕から答えさせてもらうよ。あなたの隠蔽は事実を、桑水せいかの隠蔽は
一時的に姿を隠すもの。コールドスリープで未来に鶴乃たちを送るには、長期間、
外部から収容施設自体を隠すことが、安全を確保することにも繋がる」
「そう……いう……」
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