171: ◆3U.uIqIZZE[sage]
2022/08/30(火) 16:07:38.81 ID:YmEHP9jHO
「まさか、その宗家の娘さんが、魔法少女だったなんてね。ところで、さっき言ってた
時期が来るまでっていうのは、具体的にはいつ頃を指してるか分かるかい?」
「分からないけど、常盤さんたちから、私たちに接触するとは聞いてる。
そう言っていたのは、常盤さんと同じグループの魔法少女なんだけど」
「いろはさんたちが知る情報は、他に何かありますか?」
「犯罪組織のことだけど、私の友人の親戚も存在を知っていて、その人は彼らのことを
”クリミナルズ”っていう仮称で呼んでたよ」
「元・刑事が混ざってるからクリミナルズかな。その親戚っていうのは、魔法少女なのかい?」
「ううん。友人の叔父さんなんです」
いろはは、里見太助について語り、彼が民俗学者、魔法少女の歴史を知る人間であることと、
W計画の存在も知っていることを話した。
「里見太助……民俗学者……思い出した。私の父が、時女一族のことがまとめられた書籍を
持っていて、その本を父の書斎で読んだことがあります」
「魔法少女同士の縁って、意外なところで結びつくものね」
「もしかして、織莉子ちゃんのお父さんも、魔法少女のことを知ってるのかな?」
「知らないはずです。国家は過去に魔法少女と関わっていて、父は政治家でしたが、
父から一度もそのような話をされたことはなかった。その父も今となっては故人。
どうしてその本を父が持っていたのか、知る術はありません。購入したのではなく、
誰かから受け取った可能性が高いとは思っていますが、真相は不明です」
「キリカさん。テロ計画を暴露したのは、クリミナルズの中心人物?」
「そこに近い立場にいるとは言ってたよ。その分、情報を引き出すには苦労した。
私のことは記憶を弄っておいたから、向こうは私を覚えてないはず」
「他に何か情報はない?」
「得られた情報は計画が存在することだけ。いつ実行に移すかは分からない。
中心人物に近い人間が湯国にいたってことは、クリミナルズの拠点は案外、
湯国にあるのかもしれないけどね」
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