エンド・オブ・ジャパンのようです
1- 20
244: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2023/07/26(水) 21:31:33.21 ID:1kNqHEos0
「戦車後退!」

li イ; ゚ -゚ノl|《り、了解です!》

ギャリギャリとキャタピラーが唸り、下敷きになっていた【暴徒】の残骸が生々しい断裂音を残してそこら中に飛び散る。1、2秒ほどの抵抗感を経て、W号の車体は急速にバックを始めた。

「左、撃て!次いで右、撃て!!」

<(' _'#<人ノ《あいよっと!!》

砲塔が、イヤイヤするように両側へ交互にブレる。“デサント”から振り落とされないようしがみつきつつ女保安官から投げ渡されていた耳栓を突っ込むが、至近距離の轟音は容赦なくそれを透過して鼓膜を揺らす。

『う、うわあああぁっ!!?」

『ギョオッ!!?』

『……ヂッ!!』

直撃弾を受けて、民家2つが立て続けに崩れ落ちる。加速し切る前に距離いを詰めようと突撃を再開しつつあった【暴徒】と【寄生体】が何体か巻き込まれ、その進路上で瓦礫が山を成す。
濛々と立ち込める粉塵に照準を妨害されたのか、遠くから再び舌打ちのようなチ級の声が聞こえてきた。

「『「らぁあぁっ!!!』」』

『『『ア゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ッ゛!!!」」」

正面の“主力”は足止めできたが、【暴徒】も【寄生体】も総数は艦内を埋め尽くすほどのものだ。私達が向かっていた方角にも当然多数が残っていて、西住さんたちもソレを虱潰しに殲滅してきたわけじゃない。
両側で家屋の塀を乗り越えて、或いは二階や屋根から飛び降りて、一気に6人の【暴徒】がW号に押し寄せる。

「『ぐぎゃあっ!!?」』

∬#メ´_ゝ`)「よいしょ!!」

「ふっ!!」

「『クキュッ……』」
『「ゴハッ……」』

2人が乗り損ねて落下し、跳ね飛ばされて塀に叩きつけられる。残る四人は乗ってきたが、左側は私がまとめて斬り伏せ、右側は阿音が89式の銃床で殴り付け叩き落とす。

「左へ曲がって!」

そして、目の前で“人の形をしたモノ”が半ダースも無惨な末路を迎えたというのに、西住みほはまるで動揺を見せないまま平然と次の指示を繰り出した。

『「『ヴォアあああああああっ!!!」』」

進路上──でありながら“後方”──に現れた新手の【暴徒】。数はざっと見た限り30をちょっと越えた程度か。
さっきまで対峙していた“主力”とは比べ物にならない寡兵だけど、勢いが凄まじく心なしか体格のいい【暴徒】が多く揃っているように見える。背走故に十分な速度を出し切れていないことを考えれば、押し止められるとまでは行かずとも衝突で排除しきれずにキャタピラーの破損等につながる恐れは大きい。

『「『ヴア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッ!!!!』」』

それを見越しての進路変更指示なのだろうけど、まぁ向こうも黙っちゃいない。曲がった分速度は更に落ち、うまくすれば追いつける千載一遇のチャンスなんだから当たり前よね。益々声を荒らげ、嵩にかかって押し寄せてくる。

『「『ゴガガガガガg」』」

「────Feuer!!!」

「『「コァッ…………』」』

意気揚々と私達が入り込んだ路地裏に差し掛かる“群れ”。

その真正面から、W号の75mm主砲弾が容赦なく叩き込まれた。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
311Res/557.96 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice