星輝子「真夏みたいに気持ち悪い」
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32: ◆xa8Vk0v4PY[saga]
2022/06/06(月) 01:06:25.42 ID:Sev9O2YP0
彼女は夢を見た。
ドロドロと、気持ち悪いものが自分の脚にまとわりついていた。
不安には思ったが無視してそのまま歩き続けていると、それはどんどん自分の体を登ってきた。
胴を這い、腕を固め、首を伝う。そしてとうとう頭まで完全に覆いつくした。
動けない。息ができない。じたばたと芋虫のように必死にもがき、口を大きく開こうとするが意味はない。
やがて意識が遠くなる。朦朧としながら彼女は思う。
どうしてこうなってしまったんだ。
あの気持ち悪いものを放っておいたからだ。
あんなもの、すぐに捨ててしまえばよかった。
ひっぺがして、ぐちゃぐちゃに踏みつぶしてしまえばよかった。
力いっぱいゴミ箱に叩き捨ててしまえばよかった。
もう手遅れだ。その気持ち悪いものと完全に一体化してしまった彼女は、
もはや元の姿を留めてはいない。ただの気持ち悪い物体。誰も近寄らない。
近寄れば皆、彼女をぐちゃぐちゃに踏みつけて、捨ててしまう。
彼女は思った。なんで、あの気持ち悪いものを捨てなかったんだ。
なんで、こんなものを。持ってしまったんだ。
どこから引っ付いていたんだ。
なんで、なんで、なんで、こんな気持ち悪いものが……


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