【ミリマスSS】TeaTimeには戻りたい
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1: ◆ivbWs9E0to[saga]
2022/03/06(日) 20:10:43.36 ID:NHAPh+ft0
アイドルマスターミリオンライブ!のSSです。
地の文がありますので予めご了承ください。

SSWiki : ss.vip2ch.com



2: ◆ivbWs9E0to[saga]
2022/03/06(日) 20:12:57.87 ID:NHAPh+ft0
 
「あ、あれ……?」
「ボールが、消えた……?」

私たちがこの不思議な現象に相対したのは、もうすぐ春の便りが届く2月末のこと。
以下略 AAS



3: ◆ivbWs9E0to[saga]
2022/03/06(日) 20:13:35.99 ID:NHAPh+ft0
 
「今日は百合子に女房役やってもらおうと思ったんだけどなー」

と、昴さんに言われて断れる生物は存在するでしょうか。いえ、存在しないでしょう。
反語です。国語の授業で習いました。
以下略 AAS



4: ◆ivbWs9E0to[saga]
2022/03/06(日) 20:14:14.45 ID:NHAPh+ft0
 
劇場の壁にぶつかるはずのボールが、そのまま消えてなくなりました。
場所的に、エントランスの大扉の少し横くらいでしょうか。いえ、細かい場所なんてどうでも良いですね。
何かオブジェクトがあってボールが見えなくなったわけではありません。私たちと劇場の壁の間に、視界を妨げるものはありませんでした。

以下略 AAS



5: ◆ivbWs9E0to[saga]
2022/03/06(日) 20:14:52.53 ID:NHAPh+ft0
 
うわっ、なんだよビックリした。と昴さんは驚いてみせました。
私は必死に昴さんに説明しました。因果律の乱れ、超時空生物の侵攻、JKローリングがロバード・ガルブレイズ名で執筆した『私立探偵コーモラン・ストライク』シリーズ……。
しかし、いずれも昴さんの心には響かないようでした。しきりに首を傾げています。
しまった。東野圭吾あたりから始めるべきだったでしょうか。
以下略 AAS



6: ◆ivbWs9E0to[saga]
2022/03/06(日) 20:15:57.30 ID:NHAPh+ft0
 
もしもし杏奈ちゃん、今どこにいる? 事務室でゲームしてたの、ゲーム中にごめんね。でもちょうど良かった。ちょっとエントランスに来て欲しいの。なんでって、詳しく話すと長くなるんだけど、エントランスの壁にぶつかった昴さんのボールが急に消えちゃったの! これはきっと私たちの劇場と、ウェザリングワールドが繋がって、私たちは魔法界から招待状を……あぁ、待って待って切らないで! お願い杏奈ちゃん。とにかくエントランスに来てもらえる? うん、別にここでゲームやってても大丈夫だから、あぁでも少しは私と一緒にこの世界の謎を解き明かしてくれると嬉しいかな……うん、うんセーブしてからで良いよ。トロフィー集め中だから時間がかかるかも? うん、うん、分かった。じゃあ待ってるね。

ぽちっ。よし、なんとか杏奈ちゃんは来てくれそう。
私の横では昴さんが
以下略 AAS



7: ◆ivbWs9E0to[saga]
2022/03/06(日) 20:17:05.36 ID:NHAPh+ft0
 
「事件が私を呼んでいます。真壁瑞希です」
「ペイントのオイルをエイジングしてる間だけなら、アカンパニーしますよ」
「あれ、杏奈は?」
「あのゲーム、ボス倒すまでオートセーブにならないから、結構遅くなるかも……」
以下略 AAS



8: ◆ivbWs9E0to[saga]
2022/03/06(日) 20:19:09.76 ID:NHAPh+ft0
 
「ロコも、エントランスのウォールでグラフィティしていたら、ちょっとルックアサイドした隙に、一瞬でクリアランスされていたことがあります」
「グラフィティってなんだ?」
「スプレーでウォールにペインティングすることですね」

以下略 AAS



9: ◆ivbWs9E0to[saga]
2022/03/06(日) 20:20:03.96 ID:NHAPh+ft0
 
むむむ……と手詰まりの様子の御三方。
ふふっ、ここはこのリリー警部の助言が必要でしょうか。
チラッ、チラッ。
目で訴えるも誰にも気付いてもらえません。仕方ないので声を張ることにします。
以下略 AAS



10: ◆ivbWs9E0to[saga]
2022/03/06(日) 20:20:44.52 ID:NHAPh+ft0
 
「え、オレ? 何すれば良いの?」
「ボールをウォールに向かってスロウすれば良いんじゃないですか?」
「そのボールが無くなったんだろ、何を投げれば良いんだよ」
再び私に皆さんの目が集まります。どうにも、注目を集めようとした時以外のタイミングで注目が集まるのは苦手です。しどろもどろになってしまいます。
以下略 AAS



11: ◆ivbWs9E0to[saga]
2022/03/06(日) 20:21:36.20 ID:NHAPh+ft0
 
「それでは、物を投げるのではなく、グラフィティを再現してみては如何でしょう」
「わぁ、倫理観がイーストエンド……」
「まぁ、琴葉と律子にバレなきゃなんとかなるだろ」
「うーん、今日のロコのモチベーションはオイルペインティングだったのですが……まぁ、スプレーを持ってきますね。……あれ?」
以下略 AAS



12: ◆ivbWs9E0to[saga]
2022/03/06(日) 20:22:14.55 ID:NHAPh+ft0
 
「こんなところに、ウォールなんてありましたっけ……?」

エントランスから入って右手側、ステージの脇を抜けて事務室へ向かう廊下。
そこに、私たちが良く知る廊下はありませんでした。
以下略 AAS



13: ◆ivbWs9E0to[saga]
2022/03/06(日) 20:23:15.94 ID:NHAPh+ft0
 
「まずい」
咄嗟にそう思いました。口にも出ていました。
すぐに左側の廊下も確認します。同じように壁で塞がっていました。

以下略 AAS



14: ◆ivbWs9E0to[saga]
2022/03/06(日) 20:23:58.58 ID:NHAPh+ft0
 
とりあえず皆で大扉の前に集まって、持っていたスマホの様子を確認します。
が、一種のお約束のように、全てのスマホが「圏外」の表示になっていました。昴さんとロコちゃんはすごく狼狽えていましたが、私は「きっとこういう状況なら圏外になっているだろう」と思っていたので、冷静沈着です。瑞希さんも冷静でした。まさかのライバル登場……?
そんな風に、一か所に集まって現状確認をしている時のことでした。
 


15: ◆ivbWs9E0to[saga]
2022/03/06(日) 20:24:38.43 ID:NHAPh+ft0
 
「ねぇ、何してるの……?」

不意に聞こえた声に、ロコちゃんが「ぴえっ!?」と鳴きます。
これには流石に私も瑞希さんも動揺を隠せないまま、声が聞こえた方向、つまりエントランス向かって左側の廊下があった場所に目線を向けると。
以下略 AAS



16: ◆ivbWs9E0to[saga]
2022/03/06(日) 20:25:21.06 ID:NHAPh+ft0
 
「誰って、げき子だけど……。百合子さん、それで、何の用……?」
「その前に望月さん、どうやってここに入ってきたのですか?」
「え、普通に歩いて……。あれ、壁がある……?」
「そんなこともあるよ。ね、杏奈ちゃん」
以下略 AAS



17: ◆ivbWs9E0to[saga]
2022/03/06(日) 20:25:58.63 ID:NHAPh+ft0
 
「私は、げき子。劇場を思う人々の夢のカケラが集まって生まれた、劇場の魂」
「ええぇぇぇヤバいよヤバいよ。オレ今の状況全然分かんないんだけど!」
「ロコもコンヒューズです〜! どういうことですかユリコ〜!」
「わ、わわわ私も全然分からないけど、でも、杏奈ちゃんが……!」
以下略 AAS



18: ◆ivbWs9E0to[saga]
2022/03/06(日) 20:26:43.92 ID:NHAPh+ft0
 
「もちろん知ってるよ。瑞希ちゃん、百合子ちゃん、昴ちゃん、ロコちゃん」
「……瑞希さん、どうしたの? げき子は、げき子だよ……?」

杏奈ちゃんは暴走しちゃった私の妄想を聞いている時のように、様子を伺うようにこちらを覗き込んできます。私たちの言っている意味が分からないといった顔です。
以下略 AAS



19: ◆ivbWs9E0to[saga]
2022/03/06(日) 20:27:36.07 ID:NHAPh+ft0
 
悲しそうな目でこちらを睨みつけながら、げき子という女の子に抱き着く杏奈ちゃん。
まさか、杏奈ちゃんにそんな目を向けられるなんて。何かのラノベで読んだことがある。これが「寝取られ」という感情……?

「大丈夫だよ、杏奈ちゃん」
以下略 AAS



20: ◆ivbWs9E0to[saga]
2022/03/06(日) 20:28:10.62 ID:NHAPh+ft0
 
「落ち着いて。私はみんなと争う気は無いの。ただ、もう少し劇場を大切に扱って欲しいだけ」

劇場を、大切に……?
すぐ後ろの二人の表情から「ギクリ」というオノマトペが鳴る。
以下略 AAS



21: ◆ivbWs9E0to[saga]
2022/03/06(日) 20:28:44.00 ID:NHAPh+ft0
 
「もうちょっと待ってもらえば……。そうだ、杏奈ちゃん。ごめん、ちょっと体を借りるね」
「んっ」
「うぇっ⁉」
「ゲ、ゲキコが、あぁぁぁアンナのボディーにインしました!」
以下略 AAS



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