13: ◆ivbWs9E0to[saga]
2022/03/06(日) 20:23:15.94 ID:NHAPh+ft0
「まずい」
咄嗟にそう思いました。口にも出ていました。
すぐに左側の廊下も確認します。同じように壁で塞がっていました。
「瑞希さん、すぐにエントランスの大扉を開けてください。私は二階の様子を!」
「分かりました」
「えっ、えっ?」
昴さんが狼狽えていますが、説明している時間はありません。
ロコちゃんの脇を駆け抜けて、素早く正面階段を登ろうと足をかけたところで瑞希さんから「ダメです、開きません」という声が上がりました。この分だと、こっちもおそらく……。
階段を上がりきってすぐ、私は事態を把握しました。
二階も同じように、左右の廊下に続く道が壁で埋まっていました。
ステージに入るための扉は残っていますが、この様子では……。やはり、開かない。鍵が引っかかってガチャガチャと鳴るような感じではなく、不思議なチカラでビクともしないといった様子。
私が階段を降りようとする頃には、ロコちゃんと昴さんも大扉に集まって、こちらの様子を伺っていました。
何かに期待しているかのような顔です。ですが、私はこれから皆さんの期待を裏切らなければなりません。
「私たち、閉じ込められてしまったみたいです……」
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