3:名無しNIPPER[sage saga]
2022/02/08(火) 22:39:53.60 ID:gAjlLna3O
「来たよ」
「はいよ、いらっしゃい」
さて、待ちに待ったシルバーウィーク当日。
お泊まり道具一式を持った私は彼女の自宅に突撃した。玄関のドアを開けた彼女は当然ながら初めて目撃する部屋着姿であり、常日頃、家ではもっぱらジャージで過ごしている私はバッグに詰めた愛用のジャージをその場で捨てようかと思った。捨てないけどさ。
「どったの? 早く入りなよ」
「えっと、その……似合ってる。かわいい」
「なに言ってんだか。ただの部屋着だって」
やれやれと嘆息していても私にはわかる。
これは結構嬉しい時の反応だ。手応えあり。
ひとまず先制攻撃を決めた私が脱いだ靴を、彼女は几帳面に靴箱に仕舞ってくれた。
そうして、私は彼女の自宅にお邪魔した。
「へー! ふーん! なるほどー!」
「なにキョロキョロしてんのよ」
家に入るや否やそのまま彼女の部屋に直行させられた私は、初めて入るその部屋を見渡して感慨深いと思った。ここが彼女の部屋か。
「その辺にテキトーに座ってて」
「あ、うん」
そう言って部屋を出て行く彼女に頷きながらも、さてどこに座るべきか迷った末に、私は床に正座した。とにかく落ち着かなかった。
12Res/12.25 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20