4:名無しNIPPER[sage saga]
2022/02/08(火) 22:40:53.80 ID:gAjlLna3O
「なんで正座してんの?」
よっと、足でドアを開けて再び現れた彼女は片手に飲み物と、もう片方の手に香ばしい香りがするクッキーと思しき皿を持っていた。
「はい、どうぞ」
「あ、お構いなく」
「じゃあ食べなくていい」
そんなやりとりはいつものことだった。
私の彼女は昔っからちょっと意地悪なのだ。
性格や底意地が悪いとは言わないけれど、人が困っているのを見て喜ぶタイプ。
人はそれを、タチの悪い女と呼ぶ。
「このクッキー、もしかして手作り?」
「まあね」
「へー意外」
「そう?」
「しかもおいしい」
「でしょ」
なんか悔しい。かわいい部屋着と、おまけに美味しいクッキーを焼ける彼女。勝てねえ。
何ひとつ勝てる要素が見当たらん。美味い。
しかし、本当に美味しいな。このクッキー。
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