1:名無しNIPPER[sage saga]
2022/02/08(火) 22:36:57.10 ID:gAjlLna3O
私には現在、彼女が存在している。恋人だ。
しかし果たして彼女のことを『恋人』と定義していいものか、正直判断に迷うところだ。
何故ならば私たちは同性同士であり、すなわち『私』は生物学上紛れもなく『女』だからである。そして私は至ってノーマルだった。
それなのに、どうしてこうなった。何故か。
話せば長くなるのだが彼女と私は所謂幼馴染関係であり、小さい頃から行動を共にした。
知り合ったのは幼稚園だったような気もするが、定かではない程、昔っから一緒だった。
小学校高学年になるとクラスメイトの女子たちはやれ同じクラスの男子がかっこいいだのやれ他のクラスの男子がかっこいいだのと色めき立ち始めたのだが私たちは特にそういった浮ついたこともなく中学校へと進学した。
同学年の男子にときめいた経験がなかった。
ともあれそんな灰色の学校生活を送っていた私たちだったのだが、高校への進学と同時に転機が訪れた。前触れもなく、ある日突然。
「ねえ、私と付き合ってよ」
唐突なその愛の告白に対して私はまるでラノベの主人公のように「え? どこに?」などとお約束を返して、彼女に盛大に呆れられた。
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2:名無しNIPPER[sage saga]
2022/02/08(火) 22:38:50.56 ID:gAjlLna3O
「鈍感な幼馴染を持つとほんと苦労するよ」
やれやれと言わんばかりに嘆息しつつ、先程のお誘いが告白であったことを説明してくれた幼馴染はその日から、私の彼女になった。
「てっきり断られるかと思った」
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