17: ◆kBqQfBrAQE[sage saga]
2021/12/26(日) 23:20:28.71 ID:4Xl2PJ5H0
ネイチャは一昨日も練習メニューを軽く済ませ、前日は東京からの移動とトークイベントがあっただけで、あまりエネルギーも消費していない。それゆえ並盛りでも十分足りたのかもしれないが、トレーナーへの鬱憤を晴らしたいという気持ちが、ネイチャを大盛りへと誘ったのかもしれない。
ネイチャが注文を済ませてしばらくしていると、絶え間なく客が来店し始めた。昼も近づき、書き入れ時である。次々と注文を受ける女将の動きもペースが上がり、忙しなくなる。
その厨房では、女将は割り下に玉葱を入れて火をかけている。すると裏口から揚げたてのトリカツが三枚、運ばれてきた。割り下の入った鍋でカツをとじるかと思いきや、女将は器用に片手で卵を割り、ボウルで軽くかき混ぜると、玉子丼を作る要領で鍋に流し入れた。それから数秒、女将は玉子の状態をじっと見つめたと思えば、さっと火を止め鍋に蓋をする。余熱で玉子を蒸らすのだろう。その間に三枚のトリカツを手早く切り、予めご飯をよそっていた黒の丼に盛り付けると、鍋の蓋を取り、玉子を慣れた手つきでその上にかけた。そして三つ葉を乗せると、ネイチャのいるカウンターへ持ってきた。
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