24: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2021/09/27(月) 19:22:48.23 ID:FpkFq5Eu0
早押しクイズのように今か今かと手を挙げようとしていた男子たちを制止すると、アルクェイドは座席表を手に取る。
「先生が授業をするうえでやりたかった事の一つにね、これがあるんだ。
今日は〇×日だから、出席番号〇×番!」
「オイッス!」
「ん? 鈴木誠也くんはさっき当てたか。じゃあ無しで」
「なん……だと……?」
「う〜んと、今は9時17分だから、9+1+7で――」
どうやら学校の先生がよくやる、その時の日時で生徒を当てるのをやりたかったようだ。
いや、なぜそんな知識を持ってるんだアイツ。
もしかして今日に備えて学園を舞台にしたドラマや漫画をチェックしたのか。
「出席番号17番の宮田……んん?」
出席番号17番の宮田を当てようとしたところで、これまで順調だったアル美先生が初めて戸惑いを見せた。
教室に何とも言えない居たたまれない雰囲気が流れ、宮田は諦めたような笑みを浮かべる。
「ねえ宮田くん。貴方の下の名前は何て呼ぶの? へきくう、で合ってる?」
「……アル美先生。俺の名前は碧空《あとむ》です」
「へえ、音読みも訓読みも把握していると思ったんだけど、この名前はそういうのとは別に歴史的な経緯が生まれた読み方かしら。大和と書いてやまとと読むように」
「いや、歴史的な経緯は……ない……はずですよ?」
日本アニメ史を語る上で欠かすことのできない鉄腕アトムの存在《パワー》に押され、歴史的な経緯は存在しないと言い切れない宮田。
碧空をアトムと読む設定なんて無いから言い切っていいんだぞ、宮田碧空!
「あれ? うん……ちょっと待って」
おっと。
何かに気づいてしまったのか、座席表をまじまじと眺めるアルクェイド。
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