18: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2021/09/27(月) 19:18:25.48 ID:FpkFq5Eu0
※ ※ ※
「はじめまして、アシスタントティーチャーのアル美です!
みんな、今日はわたしのためにありがとーう!」
なんであの流れからこうなるんだ、このばか女ああああぁぁっ!!
ざわめく教室、血の気が引く酩酊《めいてい》感。
教壇から放たれるあっけらかんとした破壊光線《あいさつ》。
奴の顔には一度は危険物として没収したはずの丸眼鏡がかけられ、メガネ属性まで付加されている。
間違いない。
魔眼の力でなんやかんや有耶無耶《うやむや》にした特別講師・アル美先生まさかの再来か――――ッ!
待ってくれ。いや、ホント待ってくれ。
普通こういうのは予兆というか前触れがあってしかるべきだろう。
こっちだって心の準備というものがある。
こう、ほらね?
朝は翡翠に起こしてもらって、居間で秋葉と兄妹水入らずな胃が締めつけられる事で暖かくなる会話をして、琥珀さんが用意してくれた朝食を食べるじゃないですか。
そして登校している途中に、例えば下駄箱とか階段で何か違和感を覚えるとかですね、そういう前段階が必要になるでしょ。
それをコイツは一切合切無視した。
もうダメだ……おしまいだぁ……
頭を抱えながら横目で頼れる生徒《なかま》たちを見る。
当時の記憶《さんげき》を忘れてしまっている仲間たちは、あの日を繰り返すようにチャット会話を始めていた。
『どうしよう。いい匂いがして頭がクラクラする』
『我、有識者ノ意見求ム』
『やばいめっちゃ近いめっちゃ美人』
『あれ? この美人さんどっかで見たような気がするというか、この展開に覚えがあるような』
『知り合いなら紹介しろ』
『どうしよう。目が合っただけなのに顔が熱くなってきた』
『黒板前である事に神に感謝しています』
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