65: ◆QlCglYLW8I[saga]
2021/09/28(火) 23:24:50.89 ID:AjfzXomJO
僕の心に、例えようのない恐怖がわき上がった。一体、何のために?まさか僕に、何か用なのか?
そして、秋分の日に僕の後を尾行していたのは、こいつだと直感した。あれはやはり、幻覚ではなかったのだ。
「コナン」は、ゆっくりと僕に近付いてくる。逃げる?こんな子供の脚なら、きっと振り切れ……
少年が、銃のようなものを向けたのが分かった。
「逃げようとするなら、撃つ。手荒な真似はしたくない」
僕は、その場にへたりこみたい気持ちを、必死になって抑えた。
何だこれは。一体、こいつは何なんだ!?
これが悪夢の続きで、現実ではないことを心から願った。……しかし、「コナン」の姿は段々と大きくなり、そして僕の前で止まった。
「竹下俊太郎さん、だね」
僕は震えながら頷いた。やはり、僕の名も知っている。
「すまない。抵抗しなければ、あなたに危害は加えない。大事な、極めて大事な話がある。10分ほど、時間をくれないか」
「は、話って」
「それは後でだ。人に聞かれるとよくない。申し訳ないが、こちらに来てくれ」
「コナン」は銃らしきものをジャケットの内ポケットにしまった。近くで見ると、どうも拳銃とは違う何かのようだ。
1分ほど歩くと、ワンボックスカーが見えた。「コナン」はドアを開けると、「入ってくれ」と僕を後部座席に促した。
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