64: ◆QlCglYLW8I[saga]
2021/09/28(火) 23:23:53.00 ID:AjfzXomJO
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「……ふう」
家路についたのは夜9時を回ってからだ。家の近くにある麻婆麺屋で腹を満たす。
LINEには由梨花からのメッセージがあった。今週末にちょっと遠出をしないか、ということらしい。
10月になれば新学期が始まる。忙しくなる前に、彼女との時間はできるだけ作っておきたかった。
幸い、ここ数日は悪夢は見てない。土曜に由梨花と会って、精神的に落ち着いたおかげだろう。
マンションが見えてきた。さて、週末はどこに行こうかな……
「……?」
エントランスの前に、誰かいる。……子供?こんな遅い時間に、一人で?
塾か何かの帰りだろうか。向こうを向いて、誰かを待っているようだけど。
その人影が、こちらを向いたのが分かった。明かりに照らされた、その顔は……
「……えっ」
水色のジャケットに、少し立った髪の毛。そして、黒いフレームの眼鏡とその奥に見える鋭い目。
そう、それは間違いなく、先週の月曜に会った、「名探偵コナン」似の少年だった。
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