765: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/15(土) 23:44:30.17 ID:2z6G7I5Go
美琴「……やっぱりその声、あのときのヤツと同じだわ。婚后さんを傷付けやがったクソ野郎とまったく同じ」
パチッ、と美琴の周囲に火花が走る。
馬場(ま、不味い。コイツ、まだあのときのことを根に持ってやがる……!)
馬場は過去、婚后光子という少女と交戦し、倒し、痛みつけたことがあった。
その少女は御坂美琴と友人関係にあったらしく、馬場はその件で激怒した彼女から手痛い報復を受けることになった。
馬場(くぅ、コイツがここに来るのは予想外だったが、僕だって対策をまったく取っていなかったわけじゃない……!)
馬場は目線をそのままに手だけを動かして、自分のズボンの尻ポケットを探る。
そこから試験管のようなの細長い入れ物のようなものを手に取った。
馬場(これは超電磁砲用にカスタマイズされたモスキートだ。最終信号(ラストオーダー)をさらったときに使ったグレートデーンと同じ、電磁波透過素材で出来た特注品さ)
『T:MQ(タイプ:モスキート)』。蚊をモチーフにした極小サイズのロボット。
その名の通り、蚊のように飛行して、取り付いた相手の皮膚に針を突き刺し、そこからナノデバイスを注入する。
ナノデバイスを注入された者は高熱を発生させ、身動きが取れなくなるという兵器だ。
彼が持っている入れ物にはこれが入っている。
馬場(通常のモスキートなら電磁波レーダーに引っかかって察知されてしまうだろうが、コイツは違う。つまり、こんな暗がりでコイツを出されたら目視で発見することも困難ッ。ヤツに防ぐ術は存在しないということだ)
これを彼女に注入することができれば、いくら超能力者(レベル5)だろうと動けないただの一般人と相違なくなるだろう。
たった一つの勝利条件にすがるように馬場は行動する。
馬場「ま、待ってくれ。話せばわかる。僕もやりたくて君たちを襲ったわけじゃないんだ。陰険なジジイに無理やり命令されていただけなんだ……」
口八丁の言い訳を次々と並べていく。彼女を倒すためには時間を稼がなければいけない。
その間にT:MQを起動するため、入れ物に付いた起動ボタンを指の感覚だけで探る。
急げ、急げ、急げ、と指を細かく動かしつ続ける
入れ物をガッシリと掴み、親指が起動ボタンにかかった。
馬場(き、来たッ!? これで、ヤツは完全におわ――)
バチチチィッ!! 御坂美琴を中心に周囲へ電撃が放たれた。
室内のモニターは全てひび割れ、コンピュータはショートし、床に転がっていた炭酸飲料の入ったペットボトルは感電して破裂した。
それに伴い、馬場の体にも電気が走る。
馬場「ォおあああああああああああああああああああッ!?」
電撃による痛みで絶叫する。モスキートの起動ボタンを押そうと力を入れていた腕が、変に力が入ってしまい腕が真上に上がった。
その勢いで手に持っていた入れ物が放り投げるように宙を舞い、目の前にいる少女の足元へと音を立てて転がった。
美琴は落ちた入れ物を拾い上げる。
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