626: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2021/12/18(土) 22:42:53.58 ID:loyT3wilo
麦野「チッ、つまんねえ。大人しく死んでなさい」
そう言って麦野は電子線を上条へ放った。
一秒もしないうちにそれは少年の元へたどり着き、ただの肉塊に変えてしまうだろう。
しかし、その驚異は上条当麻を破壊することはなかった。
バキン!
上条当麻の右手。『幻想殺し(イマジンブレイカー)』。
どんな異能なチカラも触れるだけで打ち消してしまう上条の持つチカラ。
それが麦野の原子崩し(メルトダウナー)を消し去ったからだ。
麦野「は?」
予想外の状況に麦野の表情に困惑が見えた。
過去に麦野のチカラを受け流すことができる能力者はいた。
それは自分と根っこが同じの同系統かつ同等のチカラを持つ能力者だから出来た行為だ。
過去に麦野のチカラを跳ね返すことができる能力者はいた。
そいつは学園都市最強のチカラを持つ能力者だから出来た行為だ。
しかし、このチカラが直撃しても打ち消されるという現象にまだ麦野は出会ったことがなかった。
上条「……たしかにテメェの言う通りかもしれねえよ。今からアイツのところに向かったところでもう手遅れなのかもしれない」
麦野を睨みつけながら、上条は一歩一歩前へ歩みを進めていく。
上条「けど、それはテメェが勝手に言っているだけの想像に過ぎねえ。だってそうだろ? 本当はどっちが正解かなんて実際に行ってみなきゃわからねえんだからな」
結標淡希ならきっと困難を乗り越えてくれる。
上条はそれを信じている。だからこそ、彼は何をしなければいけないのかを理解した。
上条「だったらな、邪魔するテメェをぶっ飛ばして結標のところに行く。それ以外の方法なんて思いつくわけねえだろ!!」
上条は床を蹴り、麦野へ向かって飛び出した。
歯を食いしばる。右拳を握る。
迷っている時間などない。こんなところで立ち惚けていい時間なんて一秒たりとも残されていないのだから。
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