結標「私は結標淡希。記憶喪失です」
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577: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2021/12/11(土) 23:19:17.57 ID:EQdefISBo


一方通行「ここがヤツらの巣かァ? アハッ、害虫駆除と行くかァ」


 能力使用モードを切り、機械的な杖を使いながらそのスロープを降りていく。
 
 一〇〇メートルほど進んだところでスライド式の扉が見えた。
 扉は分厚い鋼鉄製で、扉の横ではパネルのようなものが設置されていた。
 パネルには手形のようなものが書かれているところから、指紋や生体電流等が一致しないと開かないセキュリティのようだ。
 一方通行はそれを見て何となく手と手形を合わせてみる。当たり前だが『ERROR』の赤文字がパネルのディスプレイ部分に浮かび上がる。


一方通行「……はァ、面倒臭せェ」


 そう言って電極のスイッチを入れ、能力使用モードを起動する。
 右手を鋼鉄の扉に押し付ける。
 扉から働く抗力等のベクトルが反射され、五指が全て扉の中に埋まった。
 そのまま一方通行は扉を無理やりスライドさせる。
 機械をプレス機にかけたときのような激しい音を上げ、扉が強引に開かれた。
 その瞬間、建物内に警報が流れた。


一方通行「遅せェな。監視カメラに俺が映った時点で鳴らしとけよ。もしかして俺のこと舐めてンのかァ?」


 グシャグシャに破壊された玄関を後にし、一方通行は奥へ奥へと進んでいく。
 
 横幅五メートルもない殺風景な廊下をしばらく行くと、広間のようなところに出た。
 そこは一言で言うなら工場。
 何に使うのかわからない機械があちらこちらに設置されていて、迷路のように入り組んでいる。
 壁や天井を見る限り、高さは二〇メートルくらいで、横幅はざっと二〇〇メートルほど、奥行きは四、五〇〇メートルはあるだろうか。
 あの廃墟の地下にこんな広大な空間があるという事実に、一方通行は驚きを覚えた。


一方通行(一体ここで何を作ってやがンだ? 見たところ機械は動いてねェよォだが)


 侵入者が現れたから急遽停止したのかと思ったが、そもそも機械が動いていた形跡はなかった。
 その点から考えられるのは、作るものを作ったからもう機械を動かす必要のないということだろう。


一方通行(まァイイ。ンこと気にしても仕方がねェ。俺に出来ることは前に進むことしかねェンだよ)


 一方通行は再び歩き始めた。
 入り組んだ迷路を進んでいき、行き止まりになればベクトル操作で障害物を退かす。
 そうしながら進んでいくうちに一方通行はあることに気付く。


一方通行(別に素直に下の道進まなくても、上から跳ンで行きゃイイじゃねェか)


 何やってンだ俺は、そう思いながら一方通行は電極のスイッチに手を伸ばす。
 すると、


 ドスリッ。


 左腕に何かが刺さった音が聞こえた。


一方通行「がっ……!?」


 左腕を見る。そこには一〇センチくらいの長さの金属矢が突き刺さっていた。
 あまりにの痛さに壁に寄りかかりながら、右手で左腕を押さえる。
 ふと、自分の歩いてきた方向を見る。





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