結標「私は結標淡希。記憶喪失です」
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578: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2021/12/11(土) 23:22:53.81 ID:EQdefISBo


一方通行(駆動鎧……!?)


 そこには真紅の駆動鎧を着た何者かが立っていた。
 アンチスキルが使っているタイプよりは少し小型になっており、手には釘打機にサブマシンガンのマガジンが取り付けられたようなものを持っている。
 駆動鎧はその釘打機のようなものを一方通行へ向けて、引き金を引いた。
 それを見た一方通行は反射的に地面に倒れ込むように横に飛ぶ。
 すると、一方通行のちょうど頭のあった空間に金属矢が突然現れた。


一方通行(あれは空間移動(テレポート)ッ!? あの野郎ォ空間移動能力者(テレポーター)かッ!!)


 駆動鎧が再び一方通行へ向けて引き金を引く。
 一方通行は無傷の右手で無理やり首筋にある電極のスイッチを入れる。
 反射という圧倒的なチカラが一方通行の体にまとわれた。
 一方通行の頭部を狙った金属矢は彼に届くことなく跳ね返る。一一次元のベクトルを介して、元あった釘打機のようなものの銃口の中へ。
 金属矢が発射されたときとは釘打機の位置に微妙なズレがあったのか、金属矢は銃身へと突き刺さっていた。

 反射により武器が破損し戸惑っている姿を一方通行は見逃さない。
 一方通行は飛び上がり、脚力や空気抵抗等のベクトルを操り、弾丸のような速度で駆動鎧へと突撃する。
 しかし、衝突する前にその駆動鎧は姿を消した。一方通行はそのまま地面に激突し、床に亀裂が走った。


一方通行「チッ、消えやがった。どこに行きやがったッ!?」


 一方通行は三メートルくらいの高さがある機械の上に飛び乗った。
 辺りを見回し消えた赤い駆動鎧を捜す。
 テレポーターはモノを七、八〇メートル近い距離飛ばすだけで優秀と言える。
 つまり、大抵のテレポーターは長距離の転移をすることはできないということだ。
 ましてや緊急回避で高度な演算をする余裕のない状態での転移などなおさら長距離飛べるわけがない。
 そう考え、近くを見渡したが見つからなかった。


一方通行(連続で転移してここを離れたか、物陰に潜ンでやがるか。いずれにしろ厄介な状況には変わりねェ)


 首元にある電極に手を触れる。
 この電極には一五分間のタイムリミットがある。
 いや、ここまで来るのに能力を度々使っていた為、もっと短い時間になっているだろう。
 バッテリーの節約の為にスイッチを切りたいが、切ると当たり前だが能力が使えなくなる。
 無防備な状態で物質の転移などと言う凶悪な不意打ちを受けてしまえば、命など容赦なく消えてしまうだろう。
 そのため一方通行は一刻も早く敵を始末したかった。

 そんなことを考える一方通行の身体にある感覚が走った。
 反射が働いたという感覚。それはつまり、攻撃を受けているということ。
 一方通行はその感覚を頼りに後方を見る。
 二〇メートルほど先の床の上、そこには先ほど見たものと同じタイプの赤い駆動鎧が釘打機のようなものを構えていた。
 しかし、それが先ほど自分と交戦した駆動鎧ではないことはすぐにわかった。
 なぜなら、


一方通行(三機だとッ!? )


 同タイプの駆動鎧が三機いた。
 直近に戦った駆動鎧は金属矢を反射することにより釘打機のようなものを破損させている。
 だが、その三機の手に持つ物は全て無傷だ。
 つまり、まったくの別の個体ということになる。


一方通行(テレポーターが四人。笑えないねェ。厄介ってレベルじゃねェぞこれは)


 一方通行は足元にある機械を踏み付ける。
 機械は軋むような音を上げる。
 ネジやナットを等の細かい部品が外れ、銃弾のような速度で駆動鎧達の方向へ飛んでいく。
 部品の弾丸は道中にある鉄板等の障害物を突き破りながら進む。散弾銃が如く破壊が駆動鎧達へ襲いかかる。
 しかし、攻撃が届く前に駆動鎧三機は姿を消した。





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