結標「私は結標淡希。記憶喪失です」
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579: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2021/12/11(土) 23:24:49.71 ID:EQdefISBo


一方通行(チッ、ヤツらあと何機居やがるッ!? 四機いたっつゥことはもっと居てもおかしくねェっつゥことだ)


 一刻も早く敵を殲滅しなければいけない状況、だがまずは敵の戦力を把握することが重要だと一方通行は考えた。
 再び少年は足元の機械を踏みつけ、二〇メートルほどの高さがある天井に向かって飛び上がる。
 そしてベクトル操作をして手と足を天井に張り付けて、獲物を捜すトカゲのように工場の中を見回した。


一方通行(……全部で一二機か。面倒臭せェことになってきやがった)


 工場の中をうごめく赤い影は一二機。
 一機で行動する者も居ればスリーマンセルを組んでいる者も居る。
 駆動鎧たちはターゲットが射程距離外にいるためか、攻撃を行わずただただ天井にいる少年をじっと見つめているようだった。


一方通行(おそらくアイツらは全員テレポーターだろう。そういえば学園都市にいるテレポーターの数は五八人とか聞いたことあるが、アレはそのうちの一二人っつゥことになンのか?)


 その五八人には結標淡希や白井黒子も含まれている。
 そんな希少な能力者の二〇パーセントがこんな場所にいるということに、一方通行は疑問を感じていた。


一方通行(全員が駆動鎧を着て同じ武器を携帯している、っつゥことはヤツらの使っているテレポートは機械のチカラっつゥこととも考えられる)


 だが一方通行はその考えも素直に納得できるものではなかった。
 空間移動の機械での再現は困難だ。発電能力の電気や発火能力の炎を再現するのとは次元が違う。
 そんなものを駆動鎧という小さな機械で再現し、ましてや量産しているなどとは信じがたいものがあった。


一方通行(ま、今はそンなこと考えたところでしょうがねェ。今はどォやってこの場を切り抜けるかだ)


 電極のバッテリーの残り時間はおそらく一〇分もない。
 その状態でテレポーター一二人と戦わないといけない状況。


一方通行(ヤツらは俺のことを知っているはずだ。もちろンこの能力使用モードのこともな)


 つまり、相手からしたら一〇分間逃げ回るだけで勝ちということだ。
 対してこちらは一〇分以内に敵を殲滅。さらに言うなら敵はこの駆動鎧だけではないかもしれない。
 余力を残した状態でここを潜り抜けなければいけないということ。
 厳しい勝利条件を突きつけられた一方通行。しかし彼は止まらない。逃げ出さない。


一方通行(こォいう状況になるなンてこたァ初めからわかってたことだ。あの女を追うと決めた時からなァッ!!)


 一方通行は天井を蹴り、一番近くにいる駆動鎧目掛けて滑空する。
 命をかけた一〇分間の鬼ごっこが始まった。


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