結標「私は結標淡希。記憶喪失です」
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575: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2021/12/11(土) 23:14:16.58 ID:EQdefISBo


 ふんっ、と鼻息を荒げ両手ガッツポーズを胸辺りに持ってきてやる気アピールをする初春。
 明るく見せているが内心焦りやプレッシャーに苛まれていることに、黒子は何となく察していた。


黒子「しょうがないですわね。息抜きにでも、わたくしが紅茶でも入れて差し上げますわ」

初春「わぁ、いいんですか? どうせならティースタンドにお菓子とか載せてアフタヌーンティーやりましょうよ!」

黒子「調子に乗るんじゃありませんの」


 黒子はえへへと誤魔化し笑いをする初春を背に給湯室へと向かう。
 ふとその道中に応接スペースの方へ目を向けると部外者三人組がトランプをして遊んでいた。
 注意をしていた固法はもう諦めたのかデスクに座って事務作業をこなしていた。
 

黒子(……そういえば映画映画言っていましたが、結局行かなかったのですわね)


 そんなことを考えながら給湯室にたどり着き、ティーポットに入れるための湯を沸かし始める。
 その様子をぼーっと眺めていた黒子に近付いてくる者がいた。


美琴「黒子?」

黒子「あっ、お姉様?」


 肩をトンと叩かれたため少し体をビクつかせる。


黒子「な、なんでしょうか?」

美琴「あんまり状況は良くなさそうね」


 美琴は黒子の浮かない表情から事態を察したようだ。
 大切なお姉様に余計な心配をさせるなんて何をやっているんだ。
 黒子は自分を戒める。


美琴「私に手伝えることある?」

黒子「いえ、大丈夫ですわ。お姉様はお姉様の役割を果たしてくださいまし」


 黒子の言う通り彼女には彼女のやることがある。打ち止めという少女の面倒を見ること。
 嵌められたとはいえ、自分たちのせいで今もどこかで戦っているだろう少年、彼からの頼み事だ。
 彼女にはそれを疎かにしては欲しくはなかった。


美琴「……わかったわ。でも、何かあったら私を頼りなさいよ? 私はアンタのお姉様なんだからね」

黒子「ありがとうございますお姉様」


 心強いお姉様の言葉を聞き、黒子は柔和な表情を浮かべた。


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