結標「私は結標淡希。記憶喪失です」
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508: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2021/11/27(土) 23:43:49.72 ID:G65aU121o


黒子「そういえば貴方は、結標淡希と恋人関係にあると言ってらっしゃいましたよね? もしかして恋人を病院送りにしたということなのですか貴方は?」

一方通行「イイや、違う。そのときの俺たちは初対面の完全な他人だった。アイツとそォいう関係になったのはもっと先、最近のことだ」

美琴「どういうこと?」


 そォだな、と一方通行は面倒臭そうに頭を掻く。


一方通行「記憶を失ったアイツはどォいう経緯でかは知らねェが、俺が居候している住処に居候として移住してきたンだ」

一方通行「そして俺とアイツは同じ学校の同じクラスへ編入された。敵対関係にあった女と、同じ家に住む居候同士でありクラスメイトでもあるという、奇妙な共同生活が始まったっつゥことだ」


 アイツが来たのが一〇月半ばの頃だから半年近い期間になるか、と付け加えた。


美琴「なるほど。その中でアンタと結標がその、こ、恋人っていう関係になったってわけね」

一方通行「ああ」

黒子「しかし、結標淡希のあの事件後の来歴はわかりましたが、それと今回の事件に関連性があるとは思えませんが」

一方通行「…………」


 一方通行は神妙な顔つきになり数秒口を閉じた。
 そして自分の中での考えがまとまったのか、再び口を動かし始めた。


一方通行「こっから先俺が言うことは、学園都市のドス黒い裏の話だ。できれば記憶に留めるな。留めるにしても絶対に口外なンてすンじゃねェぞ?」

美琴「……ちょっと待って」


 一方通行の発する雰囲気からただならぬものを感じた美琴は、視線を黒子の方へ向けた。


美琴「黒子。アンタはこれ以上の話は聞かないほうがいいわ。今すぐジャッジメントのみんなのところに帰りなさい」

黒子「なっ、なにを言っていますのお姉様!? ここまで聞いてあとはお預けなんてわたくしには耐えられませんわ!」

美琴「一方通行がこんなこと言うなんておそらく本当にヤバい話よ? たぶんフェブリのときとは比べ物にならないくらいの暗部の」


 美琴と黒子、そしてその仲間たちは、とある暗部組織の野望を阻止するために、その暗部組織と戦った過去があった。
 そのときは一歩間違えれば命を落としてもおかしくはないような、過酷な戦いだった。
 だが、それより危険な何かを美琴は直感で感じ取っていた。


美琴「そんな話を、私は大事な後輩に聞いて欲しくない!」

黒子「……お姉様。こちらからも一つ言わせてもらってもよろしいですの?」

美琴「何よ?」

黒子「お姉様がわたくしを想ってくれていることは大変嬉しいですの。けど、わたくしからも同じことをお姉様に対して想っているっていうことをわかって欲しいですの」

美琴「黒子……?」

黒子「お姉様はここでの話を聞いたら、おそらく、いや必ずそれに首を突っ込もうとする思いますわ」

美琴「うっ」


 図星を突かれたのか美琴が一歩後ろに退いた。
 それを追うように黒子は距離を詰め、美琴の目を見つめながら、


黒子「だから、その話を聞いた上でわたくしはお姉様を止めないといけませんの」


 そしてそのまま横目で一方通行を見る。
 

黒子「それに一方通行さんがわたくしにも話そうとしてくれているということは、それはわたくしにも関係があるという話ですの」

黒子「ならば、わたくしはそれから逃げたくありませんわ。もうすでにあのとき、片足突っ込んでいるようなものなのですから」





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