509: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2021/11/27(土) 23:46:30.12 ID:G65aU121o
黒子の真剣な目付きからどうやら彼女の決意は堅いようだ。
それを察した美琴は諦めのため息をついた。
美琴「……わかったわ。一方通行、お願い」
一方通行「ああ、わかった」
そう言われて一方通行は二人を見る。
一方通行「これはあくまで俺も聞いた話に過ぎねェから、そォいう話もあるかもしれねェくらいで留めておけ」
二人が黙って頷いたことを確認し、一方通行は話を始める。
一方通行「結標淡希が持つ能力『座標移動(ムーブポイント)』。これを利用した計画が存在する」
美琴「計画……? も、もしかして、アンタのような……?」
黒子「?」
一方通行「いや、そこまではわからねェ。俺もあくまで聞いただけの話だからな」
そう、と言ってから美琴は黙った。
一方通行「当たり前だがその計画は表には絶対に公表されないよォな、いわく付きのモンだっつゥことは間違いねェ」
一方通行「その計画に必要なモノは、当たり前だが結標淡希本人だ。だが、その結標淡希は記憶喪失していて表の世界で何事もなく過ごしていた」
一方通行「そンな表の住人であるヤツを裏の計画に引き入れる手段なンざ大きく分けて二つしかねェ」
指を一本立てて一方通行を説明を続ける。
一方通行「一つは、人の善意に付け込ンで騙し、本人はそンなクソみてェな計画に加担していることなンてこと悟らさせずに、計画へ参加させる手段」
美琴「…………」
美琴の表情が険しくなる。
なにか思い当たる節があったのだろう。
一方通行「もう一つは、何らかのソイツの弱みを握り、それをチラつかせることによって計画に参加せざる得ない状況を作り上げる手段」
一方通行は二本目の指を立てる。
一方通行「だが、結果的に見れば、この二つの手段が結標淡希を計画に参加させるために有効な手段かというと、そォじゃなかったわけだ」
黒子「今の今までそのような計画に参加している様子がなかったから、でしょうか?」
一方通行「そォいうことだ」
一方通行は首を縦に振った。
一方通行「一つ目に関しては、俺が結標に裏ではそォいう事情があるっつゥことを教え込ンでやった。だから、そォいう関係の話は全部断るよォにしていたはずだから有効には働かない」
一方通行「二つ目に関しては、弱みさえ作らなければ向こうは攻め入ることはできねェ。今までその手を使ってこなかったっつゥことは、ヤツらは弱みを握ることができなかったっつゥことだ」
一方通行「さて、この二つの方法が使えない場合、結標を計画に参加させるにはどォすればイイか……」
一呼吸置いてから、再び口を開ける。
一方通行「それは結標が裏の住人になってもらうことだ。表の住人を無理やり計画に引き込ンでやろォモンなら、オマエらジャッジメントやアンチスキル等の治安組織や、一般人の目に止まってしまう可能性が高くなるからな」
一方通行「それに比べて裏の住人なら、人権なンてあったモンじゃねェ。拉致なりなンなりして計画に参加させればそれで問題ねェっつゥことだ」
一方通行「もともと結標は裏の住人だ。ここまで言えば何となく俺が言いたいことがわかってくるンじゃねェか?」
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