結標「私は結標淡希。記憶喪失です」
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504: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2021/11/27(土) 23:32:53.16 ID:G65aU121o


美琴「……まあ、そうね。簡単に言うと、去年の九月頃に、あるモノを巡って私と結標淡希の間に因縁みたいなものがあったのよ」

美琴「結果的に、結標淡希はそのモノを手に入れることができず、それは破壊された。それを壊したのは私じゃないけど、私がそれを手に入れることを妨害していたっていうのは事実ね」

美琴「で、私はそれを彼女が未だに根に持ってて、その憂さ晴らしで無能力者狩りなんて行為をしているんだと思った」

美琴「だからそんなことはやめろ、やめないなら私が代わりに相手になってやるって言ってやったわけよ」

美琴「そのあとに黒子が来たのよね? たしか」


 急に話を振られた黒子は首を傾げる。
 

黒子「たしかと聞かれましても、わたくしは会話自体は聞いていませんのでそこは答えかねますの」

一方通行(……『残骸(レムナント)』、か)


 御坂美琴が言っていた『残骸(レムナント』と、それを巡った抗争があったことは一方通行は知っていた。
 あくまで打ち止めを経由して聞いたミサカネットワーク上に流れていた情報だけだが。
 いろいろな組織が動いていて大事になっていたことは聞いていたが、まさか彼女たちのオリジナルである御坂美琴も抗争に参戦していたとは思いもしなかった。
 まあ、彼女の心境からしてこれを知ってしまったら、参戦しないという選択肢はないに等しいのだろうが。


一方通行(…………ということは)

黒子「さて、今度はわたくしの番ですわね」


 一方通行は様々な考えを巡らせていたが、黒子は気にせず自分の話を始めた。
 少年は適当にため息をつき、黒子の方へ視線を向ける。


黒子「今回起きた事件に関しては、先程説明させていただきましたので省かせていただきます。わたくしは衛星カメラの映像をもとにターゲットの追跡の任についていましたの」

黒子「徐々にターゲットとの距離を詰めていき、最終的に接触できる位置まで追い詰めることができました」

黒子「しかし、接触できる直前ターゲットに気付かれてしまったようで、ターゲットは逆向きに逃走。それをわたくしが直接追いかけましたの」

黒子「そして、わたくしがターゲットをここに追いついたと思いましたら、そこにいたのは結標淡希と、彼女と対峙していたお姉様でしたわ」


 黒子の話を聞いて美琴が眉をひそめる。


美琴「……何かその話おかしいわね」

一方通行「どォいうことだ?」

美琴「私が結標を発見したときはそんな急いで逃げている様子はなかったわ。それに私の顔を見たとき困惑した表情をしていたのよ。例えるならなんだこいつ……? みたいな」

一方通行「そォか。普通逃走中の身なら出会った人間全てが追跡者に見えてもおかしくはねェ。なのに、そンな表情を浮かべる余裕があるっつゥことは、ソイツは逃走劇なンて繰り広げている気はなかったっつゥことか」

黒子「で、ですがわたくしは衛星カメラの映像情報をもとにこちらに来ましたのよ? もちろんその映像には彼女に酷似した容姿の方が映っているという情報も得ていますので人違いもありませんの」


 そう言うと黒子は携帯端末に複数枚の画像を映し出した。
 そこにはぼやけていてハッキリとは確認できないが、結標淡希のような容姿をした少女が映っていた。
 髪型も服装も盗難品であるキャリーケースも、全てがまったく同じ少女が。
 それらを見て、一方通行があることに気付く。


一方通行「……結構な枚数の画像があるが、どれも顔が写ってねェよォだが?」

黒子「ええ。運が悪いというか、逃走者がうまく動いていたというか、ここまで顔がまったく映らず逃走をしていたことになりますわね」

一方通行「それは監視カメラの方でも同じか?」

黒子「そうですわね」


 つまり、街中にある膨大な監視カメラと衛星軌道上に浮いている衛星カメラから逃れていたということだ。
 まったく映らないように立ち回ることは可能だろう。だが、映ってなお顔だけ映さないようにするなど可能なのか?





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