結標「私は結標淡希。記憶喪失です」
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503: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2021/11/27(土) 23:30:52.21 ID:G65aU121o


 顎に手を当てしばらく考え込む美琴。
 考えがまとまったのか、うん、とつぶやき一呼吸置いてから再び喋り始める。


美琴「私が寮へ向かう帰り道のことだったわ。道端に傷だらけでボロボロになっている男の人を見かけたのよ」

美琴「ほっとくわけにはいかないから、その男の人に声をかけて、喋っているうちにその怪我はある能力者にやられたってことがわかったわ」

美琴「で、この路地裏でその能力者に仲間が襲われているから助けてくれって言われたから、ここまで走ってきたってわけよ」


 美琴の説明を聞き、黒子はなるほどと納得したような声を出して、


黒子「それでお姉様は結標淡希を無能力者狩りの犯人だと思っていたのですね」

美琴「そういうこと」

黒子「……というかお姉様? 普通そういうことはアンチスキルやジャッジメントへ通報するのが先ですのよ?」

美琴「はいはいわかってるわよ。そう何回も言わなくても」

黒子「本当にわかっているんですの?」

一方通行「で、そのあとはどォなったンだ?」


 話が逸れていきそうになっている先輩後輩コンビの会話に割って入る一方通行。
 ごほん、という咳払いをしてから美琴は話を再開した。


美琴「やったことって言っても大したことはしていないわよ? ちょっと会話したくらいよ」

一方通行「会話? 内容は?」

美琴「……えっと」

一方通行「あン?」

美琴「あ、一方通行? ちょっと耳貸してちょうだい」


 そう言うと美琴は一方通行の隣に行き、口を耳元に近づけた。


美琴「(結標とした会話の内容をちょっとこの子に聞かれたくないのよ。突き詰められたらあの『実験』のこととか喋らなくちゃいけなくなるし)」

一方通行「(『実験』っていうのは『絶対能力進化計画(レベル6シフト)』のことか?)」

美琴「(そうよ。結標とは直接的には関係はないんだけど、全容を喋るってなるとどうしても引っかかってくるっていうか)」

一方通行「(オマエ、もしかして『残骸(レムナント)』のこと言ってンのか?)」

美琴「なっ、なんでアンタがその名前をッ!?」


 思わぬところから思わぬ単語が出てきたことにより思わず美琴は声を荒げてしまった。
 大声を浴びた一方通行は貸していたほうの耳を弄りながら、


一方通行「……うるせェな。耳元で大声上げンじゃねェよ」

美琴「ご、ごめん」


 二人の様子を見ていた黒子が怪訝な表情を浮かべながら、


黒子「さっきから二人で何コソコソ話していますの? というかお姉様? そんな不用意に殿方と近寄ってはいけませんのよ! ただでさえあの腐れ類人猿と――」

美琴「ちょっと! それは今の話とは全然関係ないことでしょ!?」

一方通行「また話が逸れ始めてンぞ。早く話ィ進めろ超電磁砲」


 ごめん、と美琴は謝ってから再び話を続ける。





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