結標「私は結標淡希。記憶喪失です」
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502: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2021/11/27(土) 23:29:14.06 ID:G65aU121o


黒子「こちら白井。申し訳ございません。犯人の逃亡を許してしまいました」


 白井黒子が耳に取り付けた端末で風紀委員(ジャッジメント)の仲間と通話していた。
 黒子からの任務失敗の報告に対して、真っ先に返事をしたのは先輩である固法だった。


固法『……そう。相手がテレポーターならしょうがないわ。初春さん、追跡を再開してもらえる?』

初春『了解です』


 固法の指示に対し、バックアップ担当の初春が一言で返事をする。


黒子「初春。ちなみに逃亡者の名前は結標淡希ですの」

初春『結標淡希……ってあのときの!?』

黒子「そうですの。なので今回の事件発生当時の、この辺り周辺の監視カメラの結標が映っている映像データの解析も並行してお願いできます?」

初春『なるほど。アジト等の隠れ家の位置を見つける手がかりになるかもしれませんしね。わかりました』


 そう言うと初春の電話口からカタカタとキーボードを叩く音が聞こえてきた。


固法『こっちは他の一七七支部のメンバーと合流したわ。すぐそちらに合流する』

黒子「……いえ。実は逃げられるときに少し負傷してしまいまして。すぐに応急処置して合流しに行きますので、追跡のほうを優先してください」

固法『大丈夫? 救援のために一人くらいそちらに送りましょうか?』

黒子「だ、大丈夫です。本当に大したものではありませんので! で、では治療のために一度こちらからの通信は切ります」


 耳に付けた端末をオフにしながら、黒子はため息を付いた。
 そして視線を一緒にいる美琴へ向ける。


黒子「……さて、これで少しの間だけお話する時間は取れましたのよ?」

美琴「ごめんね黒子。これって思いっきり規則とかの違反になっちゃうよね?」

黒子「当たり前ですの。これがもしバレたら始末書アンド始末書のフルコース確定ですわよ」

美琴「ありがとうね。この埋め合わせは必ずするから」

黒子「それならば今度の週末一日デートでお願いしますの。もちろん二人きりで」


 あはは、と苦笑いする美琴。
 「絶対ですよ」と念押しした後、黒子が彼女へ向けていた視線を一方通行へ移す。


黒子「……本当は暴行罪及び治安維持妨害で貴方を拘束してやりたいところですが、お姉様に免じてとりあえずは不問といたします」

一方通行「悪かったな」


 首に残った痛みを手でほぐしながら、黒子は問いかける。


黒子「で、聞きたいこととはなんでしょうか?」

一方通行「さっきも言ったが、この現場で何があったのかだ。事細かく喋れ」

黒子「ふむ、そうですわね……」


 黒子は考え込みながら、美琴の顔を見る。


黒子「わたくしが喋るより、先にお姉様から話したほうがよろしいのでは?」

美琴「私?」

黒子「わたくしがここに到着したときには、すでにお姉様はここにいましたでしょ?」

美琴「え、ああ、そうね。えっとどこから喋れば……」





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