28:名無しNIPPER[saga]
2021/04/18(日) 02:04:36.64 ID:S9RXO5Th0
「言っとくけど、あの子はまだあそこにいるから。交渉の結果人前には姿を現さないってしてくれてるだけよ」
「うんだから幽霊と交渉してるのがもうおかしいからね?」
それはその通り。
私自身一週間前の自分に『あなた霊媒師として有名になるわよ』なんて言ったところで鼻で笑われるだろう。
「まぁでも、もう幽霊さんは出なくなったんですからその内噂も静まりますよ。75日もすれば」
「二か月半は長いわねぇ……」
それだけの期間根も葉もない噂に振り回されるのならば、いっそノートの切れ端に『悪霊退散』とでも書いたお札を売りさばいてやろうかしらと益体も無い事を考えてしまう。
私が今後の学園生活にいらぬ色を追加されて不貞腐れていると、
「ああそうだ。エリカさん、大洗と次に寄港地が被る日わかりましたよ」
小梅が話を変えようとトーンの高い声を出した。
「ホント?いつ?」
飛び跳ねるようにその話題に食いつく私に、小梅は微笑みを讃えながら答える。
「丁度一ヵ月後ですね」
「オッケー後で詳しいスケジュール送っといて。それと、小梅。あと……まぁエミも。その日は予定開けときなさい」
「え?私も?別に良いけど……何するの?」
その疑問は当然だろう。
私は笑顔で、ちょっと得意げに答える。
「ん?……交流会。それと―――忘れものを取りに来てもらうのよ」
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