18:名無しNIPPER[saga]
2021/04/18(日) 01:56:57.00 ID:S9RXO5Th0
次に、冷たいコンクリの床を這うよう映す映像。
画面の手前側から真っ黒な何かが水たまりのように広がっていく。
それが、画面いっぱいに広がった時、皮膚を剥がしていくような痛ましい音と共にカメラがゆっくりと上がっていく。
視点の主はきょろきょろと周囲を見渡す。
車庫に入り込む夕日。
それが眩しいのか真っ黒な手が光を遮る。
やがて、とぼとぼと出口に向かおうとしてその足が止まる。
だんだんと、視界が暗くなっていく。先ほどまでの『彼女』のように。
そして、その視界が真っ暗になると同時に映像も終わった。
『あの子』は気づかなかった、さっきまで自分がいた場所に影が残っている事に。
『彼女』は気づいてしまった。自分が、忘れ去られた事に。
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