みんな天使になってどっか飛んで行った
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66:名無しNIPPER[saga]
2021/02/28(日) 11:42:36.81 ID:j5Vg4AXZO

 膝に手をついて、僕は荒く呼吸をする。
 袖で目をぬぐう。
 拭いても拭いても、なぜだか涙がにじみ出てくる。

以下略 AAS



67:名無しNIPPER[saga]
2021/02/28(日) 11:47:30.99 ID:j5Vg4AXZO

「致命的な何かがあったわけじゃない」

 僕は、ぽつぽつと語りだす。

以下略 AAS



68:名無しNIPPER[saga]
2021/02/28(日) 11:53:33.15 ID:j5Vg4AXZO

「周りの奴らはそんなことに関係なくずっと楽しそうでさ。
 気づいたら僕は誰にもついていけなくなって。
 何に怒ればいいのかもわからなかった。
 何を悲しめばいいのかもわからなかった。
以下略 AAS



69:名無しNIPPER[saga]
2021/02/28(日) 11:55:10.81 ID:j5Vg4AXZO

「なあ、幽霊なんだろ僕らは。
 いったいなんだったって、
 こんなところに僕は置いてけぼりなんだ。
 僕はもうこんな人生ごめんなんだよ。
以下略 AAS



70:名無しNIPPER[saga]
2021/02/28(日) 11:57:19.06 ID:j5Vg4AXZO

 僕は黙る。
 彼女は言葉を続ける。

「君のことなんて私は知らないし、知ったこっちゃないよ。
以下略 AAS



71:名無しNIPPER[saga]
2021/02/28(日) 11:59:29.23 ID:j5Vg4AXZO

「この世界で何をやりたいのか、確かめること。
 それが君の未練なんじゃないのかな」

 僕は泣く。
以下略 AAS



72:名無しNIPPER[saga]
2021/02/28(日) 12:02:31.39 ID:j5Vg4AXZO

 ようやく涙が収まったころ、
 彼女の手を払って僕は身体を起こす。

「大丈夫?」と尋ねる彼女に、
以下略 AAS



73:名無しNIPPER[saga]
2021/02/28(日) 12:07:22.66 ID:j5Vg4AXZO

「……バレてた?」
 バツが悪そうに、頭をかきながら彼女は言う。

「なんとなく」と僕は言う。
以下略 AAS



74:名無しNIPPER[saga]
2021/02/28(日) 12:11:14.40 ID:j5Vg4AXZO

「弟が何考えてるのか、
 気付いたら私には全然わからなくなっててね。
 天使化が始まるちょっと前だったかな。
 ある日の深夜、あいつは無免許のくせに家の車に勝手に乗り込んで。
以下略 AAS



75:名無しNIPPER[saga]
2021/02/28(日) 12:15:27.77 ID:j5Vg4AXZO

「So, Bye-Bye, Miss American Pie.
 あの歌は、弟が妙に気に入っててね。
 ちっちゃい頃から頑張って、歌詞覚えて歌ってた」

以下略 AAS



76:名無しNIPPER[saga]
2021/02/28(日) 12:20:18.51 ID:j5Vg4AXZO

「伝えればいいじゃん」と僕は言う。
「一発ひっぱたいて、そっから話を聞いてやればいい」

 彼女は怪訝そうに僕の顔を見る。
以下略 AAS



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