67:名無しNIPPER[saga]
2021/02/28(日) 11:47:30.99 ID:j5Vg4AXZO
「致命的な何かがあったわけじゃない」
僕は、ぽつぽつと語りだす。
「別にイジメられてたわけでもないし、
家庭がぶっ壊れてたわけでもない。
具体的な原因は一つもないのに、
それでもなぜか、高校に入ってからくらいかな。
妙に全部がうまくいかなくなった」
彼女は頷く。
「しらけちゃったんだよ僕は。
学校も部活も友達もマンガもアニメも全部、
急にあらゆるものがつまらなくなった。
何も楽しくなかったし、何もやりたくなくなった。
で、全部ちゃんとやらなくなった。
するとまた、更につまらなくなるんだよ。
ぼんやりとした膜に包まれてるみたいだった。
どうやったら外に出て行けるのかわからなかった。
僕の人生は、緩慢な絶望だったんだ」
彼女は頷く。
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