63:名無しNIPPER[saga]
2021/02/28(日) 11:35:06.48 ID:j5Vg4AXZO
綺麗な光景だと思うかい?
僕には街灯に集る羽虫に見えたね。
64:名無しNIPPER[saga]
2021/02/28(日) 11:37:31.18 ID:j5Vg4AXZO
「ふざけんな!」
あまりにも大きな怒鳴り声に自分で驚いてしまったくらいだ。
一瞬だけ我に返って、それでも僕の怒りは収まらなかった。
65:名無しNIPPER[saga]
2021/02/28(日) 11:39:31.58 ID:j5Vg4AXZO
「お前らはずっと楽しそうだっただろうが!
別に天使になんかならなくても!
地面にいたまんまでも!
僕とは関係のないところで、
66:名無しNIPPER[saga]
2021/02/28(日) 11:42:36.81 ID:j5Vg4AXZO
膝に手をついて、僕は荒く呼吸をする。
袖で目をぬぐう。
拭いても拭いても、なぜだか涙がにじみ出てくる。
67:名無しNIPPER[saga]
2021/02/28(日) 11:47:30.99 ID:j5Vg4AXZO
「致命的な何かがあったわけじゃない」
僕は、ぽつぽつと語りだす。
68:名無しNIPPER[saga]
2021/02/28(日) 11:53:33.15 ID:j5Vg4AXZO
「周りの奴らはそんなことに関係なくずっと楽しそうでさ。
気づいたら僕は誰にもついていけなくなって。
何に怒ればいいのかもわからなかった。
何を悲しめばいいのかもわからなかった。
69:名無しNIPPER[saga]
2021/02/28(日) 11:55:10.81 ID:j5Vg4AXZO
「なあ、幽霊なんだろ僕らは。
いったいなんだったって、
こんなところに僕は置いてけぼりなんだ。
僕はもうこんな人生ごめんなんだよ。
70:名無しNIPPER[saga]
2021/02/28(日) 11:57:19.06 ID:j5Vg4AXZO
僕は黙る。
彼女は言葉を続ける。
「君のことなんて私は知らないし、知ったこっちゃないよ。
71:名無しNIPPER[saga]
2021/02/28(日) 11:59:29.23 ID:j5Vg4AXZO
「この世界で何をやりたいのか、確かめること。
それが君の未練なんじゃないのかな」
僕は泣く。
72:名無しNIPPER[saga]
2021/02/28(日) 12:02:31.39 ID:j5Vg4AXZO
ようやく涙が収まったころ、
彼女の手を払って僕は身体を起こす。
「大丈夫?」と尋ねる彼女に、
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