60:名無しNIPPER[saga]
2021/02/28(日) 11:10:04.09 ID:j5Vg4AXZO
黒い煙が少しずつ、少しずつ窓から漏れ始めた。
やがてその量が増していくと、窓ガラス越しにちらほらと
赤く踊る炎が見えるようになった。
それは事前に想定していた、
校舎全体が激しく燃え上がるような破滅的な大火災ではなくって、
組み木の中で穏やかに燃える、統制された炎に見えた。
「思っていたほど爽快ではないね」
彼女は言って、僕は頷いた。
「どうする? 一応目的は達成したけど」
「もう少し眺めてる」と僕は答えた。
校庭のど真ん中に寝っ転がって、穏やかに赤く染まりながら
煙をたどたどしく吐き出す校舎の姿を見ていた。
これに、僕はいったい何を期待していたんだろう?
僕の人生のつまらなさを、
この炎が焼き尽くしてくれるとでも思っていたのだろうか。
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