29:名無しNIPPER[saga]
2021/02/27(土) 23:32:20.40 ID:2kLflUvfO
帰ろうとする僕を、彼女は玄関まで見送った。
「そういえば、なんて呼べばいい?」と彼女が言った。
「君のこと。強盗君じゃあないんでしょう」
「なんでもいいよ」と僕は言う。
「名前なんて必要ないでしょ、
どうせ人なんてほとんどいないんだから」
「なんでもいいってのも困るなあ」
彼女は手を顎に乗せ、考え込むポーズをとる。
「じゃあ、"少年"とかでいっか」
「別にそれでいい」
「じゃあ私のことも好きなように呼びなさい。
先輩とでも、先生とでも、お姉ちゃんとでも、何でも好きなように」
「……お姉ちゃんだけは、なんか、御免だな」
「遠慮しなくていいのに」
「遠慮とかじゃねえよ」
気色悪いと思う。
知り合って間もないのにお姉ちゃんとか呼びだす関係。
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