夜叉神天衣「私も……空銀子"先生"のように」
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7:名無しNIPPER[sage saga]
2021/02/20(土) 21:21:22.16 ID:sqwkfqcmO
「もうひとつ、飲みなさい」

空銀子はまるでそれが正解とばかりに頷いてから、またクリームソーダをオーダーした。
誰も同じものを飲みたいなんて言ってない。

「ひとまず、弁えていることは理解したわ」
「あなたに理解される筋合いはないけれど」
「黒いのの考えを理解出来るのは棋界じゃ私くらいよ。理解者と呼んでも過言じゃない」

過言にも程があるし、ちっとも嬉しくない。

「八一に失望されないように強くなって、強くなれば八一は褒めてくれる。たしかに今はそれで満足かも知れないわね」
「何が言いたいのよ」
「でも八一はずっと雲の上の存在なの」

九頭竜八一は竜王だ。棋界の頂点に立つ男。

「たまに下界に降りてくることがあるにせよ、住む世界が違うことには変わりない」
「だから?」
「選択肢は2つ。雲の上まで這い上がるか、下界で空を見上げながらひたすらに待つか」

ならば選択の余地はない。私は最初から。

「待つのは慣れてるわ」

ずっと待って、待ち望んで、会えたのだ。


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