4:名無しNIPPER[sage saga]
2021/02/20(土) 21:15:10.26 ID:sqwkfqcmO
「いいわ。その挑発に乗ってあげる」
務めて冷静に。意識して優雅に。強気に。
「そんなに私とおしゃべりがしたいんだったら、とことん付き合ってあげるわ」
すると空銀子はふと、優しく微笑んでから。
「……やっぱり黒いののほうがまだマシね」
そう言って、再び私の頭を撫でてきた。
手のひらから優しさの気配が伝わって、今度はその手を払い除けようとは思わなかった。
「それで、黒いの。どこまで本気なわけ?」
空銀子に連れられて入った喫茶店で、長靴のようなコップに入ったクリームソーダのアイスを、どうにかして沈めようとストローでつついている最中に、不意にそう尋ねられた。
「少なくとも、あなたよりは」
短くそう答えると、空銀子は私のクリームソーダを奪い取り、少し飲んでから眼光一閃。
「沈められたいわけ?」
アイスクリームを、コップの底深くに沈めながら脅してきた。メロンソーダは溢れない。
私がここで、泣き喚いても、先生は来ない。
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