高森藍子「加蓮ちゃんたちと」北条加蓮「生まれたてのカフェで」
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4:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/25(金) 20:43:38.79 ID:mOMWMpAw0
「かれんちゃん、かれんちゃん!」

一通り暴れた後、ようやく看護師さんの手から脱出したそーちゃんは短い歩幅を目一杯に駆使し、私の後ろへと駆け込んだ。

ぎゅー

と腰の辺りに抱きついたと思うと、そのまま顔を押し当ててくる。
さっきまで看護師さんに小言を浴びせられ、つんっとした不機嫌そうな顔をしていたことなんて、もう一昨日くらいの出来事だったみたい。
ひとしきり私へのスリスリを楽しんでから、

ぴょん

と後ろへ跳ぶ。髪と首元を完全に隠した、冬ならではのもこもこスタイルでも分かるくらいに、満面の笑み。

「また、かれんちゃんにあえちゃった!」
「ふふっ。また会えちゃったね」

まんまるな目をいっぱいに開いて、口も同じくらい大きく開いて。ほっほっほー! と、クリスマスの合言葉っ。

「かれんちゃん、きょうもサンタさん?」
「ううん。今日は、私じゃなくて、藍子――藍子ちゃんが、サンタクロースなの」
「う〜ん……?」
「覚えてくれてた? 藍子のこと」

そーちゃんは小さく頷いた。首を傾げながら頷いたから、斜め下へこくんと垂れ下げる形に。
ゆるめに巻いたマフラーがほどけてしまったから、かがんで巻き直してあげたら、ありがと! と大声で言って、またにぱっと笑う。
少しだけ、周囲の注目を浴びちゃったかも。ま、いっか。


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