高森藍子「加蓮ちゃんたちと」北条加蓮「生まれたてのカフェで」
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28:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/25(金) 20:56:43.89 ID:mOMWMpAw0
しばらくして――そーちゃんが満足げに「ごちそうさまでした!」と言い放った頃には、しろちゃんは目線の答えを見つけたみたい。
藍子のことを見つめ続ける。
藍子もまた、しろちゃんを見守ってあげて……やんわりと、頬を緩めた。

ファンを見ているアイドルの顔。
好きなアイドルを見ているファンの顔。

さっきとは違う意味での、本人たちのペースを邪魔したくはなかった。

「……看護師さん、しろちゃんはどんな感じ? 元気にしてる?」

聞いてから、我ながら変な質問だって思った。そもそも私は別に、しろちゃんのお姉ちゃんとか保護者とかって訳じゃないし。
なんたって、私じゃなくて藍子ちゃんのファンみたいだし?
とか拗ねちゃうフリをしたら、足元からそーちゃんがてくてくやってきて、だいじょうぶ! って言ってくれた。
うん、大丈夫っ。ちょっとした、ごっこ遊びだもん。

「元気か、と聞かれると……分からない、としか答えられないわね」
「そう……」
「でも、体調はだんだん安定してきてる。やっぱり、指標を見つけると強くなれるのかしらね……」
「それって藍子のこと?」
「あら。ひょっとしたら、加蓮ちゃんのことかもしれないのよ?」

かれんちゃん! と、そーちゃんが呼んだ。なぁに? と笑いかけると、にぱっと笑い返された。

「そーちゃんも、そう言ってるわね」
「いやいやいや」


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