44:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/24(木) 06:21:33.86 ID:uyzFntxd0
ここでお目当ての物が見つかればいいけど、果たして……と思いながら、百貨店の入り口近くに備えられたベンチに座り込む。
太ももがパンパンだった。座った瞬間に「もう無理っすよ〜!」と俺の豚足が悲鳴を上げる。弱音を吐くんじゃねーよ馬鹿野郎、と叱咤するけど、残り僅かな体力、暗くなってしまった道を思うと、気が重たい。
ああ、やっぱり店長の賄いは食べておけばよかった。そうすればまだまだ体力だって持ったのに……と頭の中に温かなラーメン餃子セットが浮かぶ。お腹の虫が元気よく鳴いた。
はぁ、と大きく息を吐き出して空を仰いだ。宵の明星が目に付く。ホーリーなナイトはもうすぐそこまで差し迫っていて、頭の中には豪勢なチキンとケーキが浮かんだ。豊橋がそれを小さな弟妹に差し出してドヤ顔で接する姿も浮かんだ。
……もうちょっと頑張らんといけんたい。
エセ九州弁を口の中で呟く。とにかく今は休憩だ。体力温存が使命だ。
そう思ってベンチに体重を預けてしばらくすると、大きな包みを持ち、ぱたぱたと駆けてくる豊橋の姿が視界に映った。
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