36:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/24(木) 06:11:25.18 ID:uyzFntxd0
「まぁ、そういうわけだから、ターキーの丸焼きを買うなら百貨店だな」
「…………」
「どうした、豊橋」
「……百貨店、どれくらいかかるかな」
「こっから? うーん、車で二十分かからないくらい?」
「……歩くと?」
「片道……一時間、半……くらい?」
という俺の返答を聞くと、豊橋は立ち止まってしまった。俺も立ち止まらずを得ない。そして立ち止まってもやっぱり豊橋の世界はみんなが遠巻きで、やけに広々していた。
「間に合わない……」
ぽつりと呟き。風前の灯火よりもか弱い声だった。
「まぁ……」
今から百貨店に行って帰って準備して……なんてしてたら夜も更けてしまうだろう。ましてや豊橋は小さな弟と妹のクリスマスプレゼントに豪勢なチキンとケーキを用意しようというのだ。そりゃあ間に合いそうもない。
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