【オリジナル】クリスマス・ヒーロー
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34:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/24(木) 06:08:58.85 ID:uyzFntxd0

「なぁ、豊橋」

「なに?」

「ケーキとかチキンって、どういうので考えてる?」

「……? えっと、大きくて、苺がたくさん乗ってるケーキと、ターキーの丸焼き……かな」

「オーゥ……」

 ケーキはともかく、ターキーとキーターか。それも丸焼き。そんなん商店街に置いてあるのか……?

「…………」

「……どうしたの、辰野君?」

 無言で考え込む俺に豊橋はきょとんと首を傾げてみせる。

「や、えーっと、とりあえず俺がよく行くお肉屋さん、行ってみるか?」

「あ、うん」

 こくりと豊橋は頷く。俺はブラック・チェリー号を転がしつつ、彼女と並んで商店街通りを歩く。

 するとどうだろう、いつもは「痩せろデブ!」とでも言いたげなせせこましい混雑も鳴りを潜めて、前を見ずに歩いたって誰ともぶつからないような空間が広がる。

 これが豊橋の歩く世界か、すげーなぁ……なんて思っているうちに、お肉屋さんについた。ちょうどお客さんはいないようだ。なので、種々様々なお肉が並ぶカウンターに近付いてさっさと声をかけることにする。



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