16:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/24(木) 05:50:45.91 ID:uyzFntxd0
「あーそうそう。なに、バイトでもすんの?」
「少し、興味が」
「ほーほー、そっかそっか」
「けど、私……こう見えて、人見知りで」
「こう見えて……?」
「……どうして首を傾げてるの?」
「いや、うーん?」
豊橋が人見知り。なんとなくそんなように見える気もするし、神聖さを纏って人を遠巻きにさせる彼女にしては意外なような、絶妙に判断に困る言葉だった。
まぁ、どうでもいいか。
「まーバイトったら接客業がほとんどだし、お店のスタッフさんたちと馴染むのも大変だよなぁ。かくいう俺だって……」
「辰野君はあっという間に馴染みそう」
「初日に『ぶーちゃん』なんてあだ名でみんなに呼ばれだしたな、そういえば」
「……想像以上に早かった」
豊橋は珍しく羨むような目で俺を見てきた。
「どうしたら、そういう風になれるかな」
「どうしたらっても、俺はいつも通りにご飯をたくさん食べただけだけど」
「……なるほど、ご飯」
今度は神妙な顔で頷きだした。本気で参考にしていそうな様子だ。豊橋って意外と天然なとこあるよなぁ、なんて最近よく思う。
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